イラン司法当局は10日、窃盗で繰り返し有罪判決を受けていた男性2人に対し、手切断刑を執行したと発表しました。この刑罰は、同国のイスラム法(シャリア)に基づく刑法に定められていますが、国際的な人権団体からは「残酷かつ非人道的」として強く非難されています。
イラン国旗(イメージ写真)手切断刑に関する報道
司法当局の発表と詳細
司法府の公式ニュースサイト「ミザン・オンライン」によると、今回手切断刑が執行されたのは、中部イスファハン州の裁判所が下した判決に基づくものです。この判決は、最高裁判所によって支持された後、執行に至りました。
最高裁判事のコメント
イスファハン州の最高裁判事アサドッラー・ジャファリ氏は、ミザン・オンラインに対し、刑が執行されたのは「窃盗、器物損壊、故意の身体的危害を含む複数の罪で有罪判決を受けたプロの窃盗犯2人」であると述べています。彼らは繰り返し有罪となっていたとみられます。
シャリア法と人権問題
イランの刑法は、1979年のイスラム革命後に導入されたシャリア(イスラム法)に基づいています。この刑法では、特定の犯罪に対する罰として身体の一部切断が規定されています。しかし、アムネスティ・インターナショナルなどの国際的な人権団体は、このような刑罰を「残酷」かつ「非人道的」であるとして、長年にわたり非難し、廃止を求めています。
今回の手切断刑の執行は、イラン国内におけるシャリアに基づく刑罰の適用と、それに対する国際社会の懸念という、二つの側面を改めて浮き彫りにする出来事となりました。窃盗という犯罪に対する厳しい刑罰は、抑止力を期待する声がある一方で、人権の観点からの強い批判も根強く存在します。
参照元
- AFPBB News/時事通信 (via Yahoo News)
- ミザン・オンライン (Mizan Online)