6月10日、小泉進次郎農林水産大臣(44)が、政府備蓄米の追加放出方針を明らかにした。随意契約により、古古古米(2021年産)10万トンと古古古古米(2020年産)10万トンの計20万トンを放出するという。
政府が放出した備蓄米が店頭に並び始め、連日コメ関連のニュースが報じられる中、6月5日放送の『Nスタ』(TBS系)で、TBSの井上貴博アナウンサー(40)による指摘が注目を集めている。
番組はこの日、「速報」として、「なぜコメは高騰したのか 小泉大臣“農水省の誤り”正せるか」と題し、石破茂首相(68)が同日に首相官邸で開いたコメの安定供給を目指す関係閣僚会議の初会合を取り上げた。
石破首相は会議で、コメ高騰の原因究明と短期・中長期の対応策の検討を指示。また、小泉農水相が6月2日の参院予算委で農林水産省の「見立ての誤り」を一部認めた発言、「今まで見立てを誤ったことも事実」「新米が出て来れば大丈夫だと言って、大丈夫じゃなかった」との言葉を紹介した。これは、米不足が指摘されていた昨年9月、坂本哲志元農水相(74)が新米が出回れば価格は下がると発言したことや、今年1月には「コメは買ったことない」発言で辞職した江藤拓前農水相(64)が「コメはある」「どこかにスタックしてる」と主張していたことを振り返ったものだ。
2月にようやく備蓄米が放出されたが、コメの価格は下がらなかった。農水省は認識を改め、コメの生産が足りていなかったことを認め、国が進めてきた「減反政策」をやめるべきだというコメ卸業者や農家の主張もVTRで紹介された。
番組では、「米が不足しているとの指摘が相次ぐ中、小泉大臣は増産に舵を切ることはできるのでしょうか」とのナレーションで締めくくられた。
これら農水省の過去の数々の「誤り」をVTRで振り返った後、スタジオに戻った井上アナウンサーはこう語った。
「どうしても日々情報をお伝えするニュース番組だと、目の前の事象をお届けするということにありますので、ひょっとすると小泉さんがヒーローのように映ってしまうきらいがあるかもわかりませんが、忘れてはならないのは、全ては“自民党の失政のツケ”が今回ってきていると」
コメ高騰問題に対応する小泉進次郎農水相
井上アナはさらに続けた。「ですので、その事実上の生産調整、あとは減反政策を自民党に本当に変えられるのか。これだけ農業票、そして農水族が多い自民党に本当に変えられるんですかっていうところは厳しく見ていかなきゃいけないなという風には感じます」
小泉農水相の迅速な対応が一部で称賛される一方で、井上アナが指摘した通り、「自民党の失政のツケ」に対応しているという側面も無視できない。この冷静な指摘に対し、X(旧Twitter)では賞賛の声が多く寄せられた。
《やるじゃん井上アナ》
《井上アナよくぞ言ってくれた! 小泉進次郎はヒーローじゃない》
《夕方のNスタで、米問題を報じていた井上貴博アナがきっぱりと放ったコメントにびっくり!》
《小泉進次郎氏をヒーロー扱いする連日の報道に心底ウンザリしてNスタも見るのを止めたけど 井上さん またNスタ見るよー!》
《井上アナよくぞ言ってくれた! 小泉進次郎はヒーローじゃない》
はたして小泉農水相は、短期的、中長期的に日本のコメ問題を解決し、「本物のヒーロー」となることができるだろうか。