NHK連続テレビ小説「あんぱん」(月~土曜前8・00)の第55話が13日に放送され、柳井嵩(北村匠海)が描いた絵が物語に新たな緊張感をもたらした。この日の放送では、嵩が所属する部隊に中国への動員命令が下され、戦地へ向かう前の緊迫した状況が描かれた。
第55話:戦地へ向かう前の夜と八木からの助言
ヒロイン・今田美桜が演じる暢の夫、やなせたかし氏をモデルにした柳井嵩は、小倉連隊の一員として中国への派遣を命じられた。出発前夜、隊員たちが酒を酌み交わして過ごす中、八木信之介(妻夫木聡)は一人静かに星を眺めていた。
嵩はこれまで世話になった八木に感謝の言葉を述べ、その横顔をスケッチする。この時、嵩は「自分は何としてでも生きて帰りたいのです」と八木に打ち明ける。八木は、嵩が持っていた井伏鱒二の詩集「厄除け詩集」を通じて以前から同じ匂いを感じていたと明かしつつ、戦友として当然のことをしただけだと釘を刺した。
さらに八木は、戦場で生き残るための厳しい助言を嵩に送る。「柳井、おまえは俺と違って弱い。弱い者が軍隊で何とかやっていくには、要領を覚え、進級して力をつけるしかない。だが、戦場ではその伍長の階級証なんか、おまえを守ってはくれん。弱い者から死んでいく」「弱い者が戦場で生き残るには、卑怯者になることだ。仲間がやられても、仇を取ろうなんて思うな」——八木の現実的な言葉は、嵩の心に重く響いた。
中国・福建省での再会と高まる緊張
部隊が到着したのは、中国・福建省の奥地だった。現地駐屯地で、嵩は小学校の同級生である田川岩男(濱尾ノリタカ)と偶然の再会を果たす。岩男は兵長として、この地で野戦任務に就いていた。
一時休息の最中、軍曹の粕谷将暉(田中俊介)が嵩の前に現れる。
粕谷は嵩を睨みつけ、「これ(八木の似顔絵)を描いたのはおまえか?」と詰問した。その場にいた八木は何も語らず、ただ緊張と不穏な空気が漂ったところで第55話は幕を閉じた。
視聴者の反響と次週への期待
突如訪れた緊迫の結末に、SNS上では視聴者から様々な声が上がった。「似顔絵、ダメだったの?」「八木さんの顔を描いて残してはいけない理由があるのか」「どうなってしまうんだろう、続きが気になる」など、嵩が描いた八木の絵が物語の鍵を握るのではないかという推測や、今後の展開に対する不安や期待が多数寄せられた。
来週からは第12週「逆転しない正義」が始まる。戦地で嵩を待ち受ける運命とは。そして、八木の似顔絵が意味するものとは何なのか。次週以降の物語から目が離せない。
[出典] Yahoo!ニュース(スポニチアネックス)