日本テレビの「囲い込み」戦略が波紋:桐谷広人さんの他局出演禁止告白が問いかけるもの

タレントの「囲い込み」を巡る日本テレビの姿勢が、再びメディア業界の注目を集めている。株主優待生活で知られる著名人、桐谷広人さんが自身のX(旧Twitter)で、日本テレビ系列以外のバラエティ番組への出演を禁じられていることを明かし、視聴者や業界関係者からの批判の声が相次いでいる。この告白は、テレビ局とタレントの関係性、そしてエンターテインメント業界における「独占」のあり方について、改めて議論を提起している。

桐谷広人さん、Xで「他局出演禁止」を告白

『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)の人気キャラクターとして全国的な知名度を誇る桐谷広人さんは、10月14日、自身のXアカウントで「私を発掘したのはカンニング竹山さん」と前置きし、「夜ふかしに出て、他のバラエティは出演禁止になりました(いろいろ出ると視聴率が落ちるとのことで)」と投稿した。この衝撃的な告白は瞬く間に拡散され、大きな波紋を呼んだ。さらに、20日配信の『フライデーデジタル』のインタビューでは、桐谷さんはテレビ朝日系の『しくじり先生 俺みたいになるな!!』から熱心な出演オファーを受けているにもかかわらず、断らざるを得なかった経緯を詳細に語った。「私を世に出してくれたのは、お笑い芸人のカンニング竹山さんなんで、竹山さんから何度も出演のお誘いを頂いていたのですが、断らなくてはいけなかったことが、本当に申し訳ないです」と述べ、自身も株で「しくじった」経験があることから、『しくじり先生』への出演に意欲を見せていた。

視聴者からの批判殺到:時代遅れの「囲い込み」体質

桐谷さんの告白に対し、X上では日本テレビの「囲い込み」体質への批判が殺到している。「日テレ何様?」「出演者を独占して、他番組を締め出すのは独占禁止法違反じゃないのか?」といった厳しい声が多数寄せられ、一部からは「自分の身が大切なオールドメディア」という指摘も上がった。芸能プロ関係者は、こうした日本テレビの対応について、「他局に出たからといって視聴率が下がるという考え方自体が時代遅れだ。目先の数字にこだわるあまり、テレビ局のイメージが下がるのは本末転倒」と指摘。さらに、10月14日の『夜ふかし』の放送では、桐谷さんの妹が「“夜ふかし”は再放送してもお金をくれない。“夜ふかし”はタダ」と明かし、桐谷さんの待遇が必ずしも良くないことも判明した。番組への貢献度に対する対価として適切なのか、疑問符が投げかけられている。

自転車に乗る棋士・投資家の桐谷広人さん自転車に乗る棋士・投資家の桐谷広人さん

過去にも見られた同様のケースと今後の展望

日本テレビによるタレントの囲い込みは、今回が初めてではない。人気料理研究家のリュウジさんも『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)に不定期で出演していた際、裏番組の『ノンストップ!』(フジテレビ系)に出演したことをきっかけに、一切呼ばれなくなったと過去に明かしている。これらの事例は、テレビ局がタレントの露出をコントロールしようとする現状を示している。しかし、今回の桐谷さんの告白で「他局への出演禁止」が公になり、世論の反発が広がったことで、今後は同様の「お願いベース」の囲い込みも難しくなる可能性が指摘されている。日本テレビがこうした批判に対し、どのような対応を見せるのか、そして桐谷広人さんが再び『月曜から夜ふかし』に呼ばれるのか、今後の動向が注目される。

出典

  • 桐谷広人さんのX投稿
  • フライデーデジタル インタビュー記事