「走っている車の半分がEVです」
2020年ごろ、ネパールの新車販売に占める電気自動車(EV)の割合はごくわずかだった。国内で人気のある三輪自動車(テンプー)も、ほとんどがガソリン車だった。
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しかしいま、ネパールは世界有数のEV大国だ。2024年に販売された自動車のうち、約65%をEVが占めている。2024年の米国でのEV販売率は約9%、日本ではわずか2%ほどである。
世界銀行でネパールを担当するデヴィッド・シスレンは「いまでは(首都の)カトマンズ市内を走る車の半分がEVで、EVディーラーの数にも驚かされる」と、米誌「ファスト・カンパニー」に語っている。
EVが売れるネパール独自の理由
ネパール政府は、2021年にEVの輸入関税を大幅に引き下げた。これが契機となって、EVを購入する人が激増した。特に、BYDやタタ・モーターズ製のEVが人気だという。
また、化石燃料を輸入に頼るネパールでは、ガソリンが非常に高価だ。ファスト・カンパニーは、ネパールでEVの充電にかかるコストはガソリン代の10分の1か、それ以下だとも報じている。EVの電力は、主に水力発電などのクリーンエネルギーによって賄われている。
公共交通機関でのEV導入も進む。カトマンズ市内ではすでに数十台の電動バスが導入され、大型EVステーションの増設も進んでいる。電動バスの充電コストはディーゼル燃料のおよそ33分の1にまで抑えられる。
COURRiER Japon