埼玉県警は12日、不要な屋根修繕の訪問販売で現金をだまし取ろうとしたとして、川口市のリフォーム業者「ReLife」代表の男(27)ら20~30歳代の男女10人を、詐欺未遂と特定商取引法違反(不実の告知)の疑いで逮捕しました。彼らは組織的に高齢者などを狙い、高額な工事契約を迫っていたとみられています。
行政指導後も手口継続、大規模被害か
ReLifeは昨年10月、訪問販売に関して県から行政指導を受けていましたが、その後も「秋元ハウジング」(春日部市)と名を変え営業を継続していました。県警は、昨年11月からの9か月間にかけ、関東6都県の約700人から契約金として約7億9400万円を集めていたとみており、このうち半数以上が埼玉県内の被害とみられます。悪質な屋根修理やリフォーム工事のトラブルが多発する中、その実態の一端が明らかになりました。
埼玉県警本部にて、悪質リフォーム詐欺事件の容疑者逮捕に関連する様子
逮捕された組織構成
逮捕された10人には、代表のほか、会社幹部の3人、「アポインター」と呼ばれる営業担当の3人、「クローザー」と称して契約を締結する3人が含まれており、組織的な役割分担が見られます。
「屋根剥がれ」と偽り契約迫る手口
発表によると、代表らは昨年5月、共謀して訪問した越谷市の77歳女性宅で、「屋根の一部が剥がれている」などと虚偽の説明を行い、約291万円の工事契約を結ばせて代金をだまし取ろうとした疑いが持たれています。女性はクーリングオフ制度を利用し、難を逃れたため、詐欺は未遂に終わりました。これは、不安を煽り高額契約を結ばせようとする典型的な訪問販売詐欺の手口です。
組織関与者は最大約70人
県警幹部によると、ReLifeには最大約70人が出入りしており、実行役を入れ替えながら組織的に営業を続けていた模様です。今回の逮捕を機に、悪質な屋根修理訪問販売詐欺の組織的な実態の全容解明が進められる方針です。
埼玉県警は、このような悪質業者による高齢者などを狙った詐欺事件に厳重な警戒を呼びかけています。