NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』は、いよいよ折り返し地点を迎え、主人公・蔦屋重三郎が吉原から江戸の中心地・日本橋へと拠点を移し、物語は新たな局面へと突入しました。これまでの前半戦を振り返ると、豪華キャスト陣による熱演が随所で光り、数々の名シーンが誕生しています。その迫真の演技に、多くの視聴者が心を揺さぶられたことでしょう。
本記事では、ウェブアンケートツール「Freeasy」を通じ、ドラマを頻繁に視聴する20歳から70歳の男女500人を対象に実施した「『べらぼう』の前半戦MVP」アンケートの結果を基に、視聴者の心に残った俳優たちの演技に焦点を当てます。
視聴者が選んだ「べらぼう」前半戦MVPランキング
多岐にわたる魅力的なキャラクターが登場する中で、特に輝きを放ったのは誰だったのでしょうか。視聴者から絶大な支持を得た上位3名を発表します。
第3位:平賀源内役の安田顕が魅せた“狂気と悲哀”
第3位にランクインしたのは、平賀源内役を演じた安田顕(51)です。安田はこれまでも映画『ザ・ファブル』やドラマ『下町ロケット』(TBS系)など、数々の作品で名脇役として存在感を示してきました。『べらぼう』においても、マルチな才能を持つ自由人・源内の複雑な内面を見事に表現し、その確かな演技力を見せつけました。
特に多くの視聴者の胸を打ったのは、源内の退場回における演技でしょう。奔放に生きてきた源内が、徐々に精神を病み、狂気じみていく様子を体当たりで演じた安田の鬼気迫る演技は、まさに圧巻の一言でした。渡辺謙(65)演じる田沼意次との獄中での緊迫したやり取りや、その後の非業の死を迎えるシーンには、インターネット上でも「平賀源内がヤスケンさんでよかった」「彼の存在感が際立っていた」と絶賛の声が相次ぎました。
「存在感が際立っていた」「存在感があるし幅の広い役をなんでも出来る」「安田顕が源内の壮絶な人生をうまく演じていたから」「退場回の演技がすごかった」といったコメントが寄せられ、その卓越した表現力が高く評価されています。
第2位:初主演で堂々たる存在感を示す横浜流星
続いて第2位に選ばれたのは、大河ドラマ初出演にして初主演という大役を務める横浜流星(28)です。主人公・蔦重こと蔦屋重三郎をエネルギッシュかつ行動力豊かに熱演しており、彼の演技力に高い評価が寄せられています。
かつてスーパー戦隊シリーズ『烈車戦隊トッキュウジャー』(テレビ朝日系)で注目を集めた横浜ですが、本格的な時代劇への出演は『べらぼう』が初めてとなります。自身も蔦重の江戸っ子口調には苦労したと明かしていますが、その鍛錬の成果か、視聴者からは「違和感がない」と好評を博しています。
また、横浜は蔦重を演じるにあたり、映画『HOKUSAI』で蔦重役を演じた阿部寛(61)に話を聞くなど、役作りにストイックに取り組む姿勢をウェブメディアの取材で語っています。こうした真摯な姿勢が、視聴者からの高い評価へと繋がっているようです。
「若いのに演技力がある」「大役をしっかり演じている」「演技に磨きがかかりすごく魅力的に見えたし印象が強く感じた」「これまでのキャリアとは全く違うキャラクターを違和感なく演じている印象」といった声が、彼の努力と才能を裏付けています。
NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の主人公・蔦屋重三郎を演じる横浜流星。物語は後半戦に突入し、江戸の街並みを背景に彼の活躍が期待される。
第1位:小芝風花、妖艶な花魁役で新境地を開拓
堂々の第1位に輝いたのは、伝説の花魁・瀬川(花の井)を妖艶に演じきった小芝風花(28)でした。これまでの明るく元気な役どころが多く、実年齢よりも幼く見られがちだった小芝ですが、『べらぼう』では一転、色気と存在感を兼ね備えた花魁役を好演し、女優としての新たな魅力を開花させました。
目配せや声のトーン、細かい所作に至るまで、役作りに徹底的にこだわった小芝。特に、重い着物を身にまとい高下駄で歩く花魁道中は、足が筋肉痛になるほど大変だったと語っています。さらに、花の井時代と瀬川襲名後とで、花魁道中の歩き方にも変化を加えるなど、細やかな工夫を凝らしたといいます。
こうした並々ならぬ努力が実を結び、視聴者からは「花魁道中が圧巻だった」「花魁の所作の美しさ、特に花魁道中の時の足の運びが綺麗な八の字」といった絶賛の声が続出しました。彼女が演じる瀬川が身請けされて蔦重のもとを去った後には、「しばらくロスになった」という声も上がるほど、多くの視聴者の心を掴んで離しませんでした。「花魁の演技がとても素敵だった」「今までのイメージを裏切るような妖艶さが素敵でした」「とにかく艶っぽい色っぽい。いい意味で小芝風花のイメージがすこし変わったから」など、その変貌ぶりと表現力が高く評価されています。
まとめ
『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』前半戦のMVPに選ばれた安田顕、横浜流星、そして小芝風花は、それぞれが役柄と真摯に向き合い、視聴者に深い感動を与えました。彼らの卓越した演技は、物語に奥行きとリアリティをもたらし、大河ドラマとしての完成度を一層高めています。物語が後半へと進むにつれて、彼らを含め、さらに多くの俳優陣がどのような熱演を見せてくれるのか、今後の展開から目が離せません。
参考文献
- アンケート調査:Freeasy
- 記事参照元:週刊女性PRIME(Jisin)