参政党・神谷代表、ニコ生インタビューで問われた「具体的法案」の曖昧さ

7月20日投開票の参議院選挙で、14議席を獲得し大躍進を遂げた参政党。同党の神谷宗幣代表(47)は、開票後、複数のメディアの選挙特番に出演し、その動向が注目されました。しかし、インターネット生配信番組「ニコニコ生放送」での発言が波紋を呼んでいます。このインタビューでは、参政党が掲げる主要政策に関する具体的な法案について、神谷代表の回答が曖昧であるとの指摘が相次ぎました。

参院選後の注目インタビュー:ひろゆき氏からの鋭い質問

ニコニコ生放送の選挙特番「【参院選2025】ひろゆき参戦! 開票特番LIVE 党首インタビュー・選挙速報の裏側まで解説」には、”ひろゆき”こと西村博之氏をはじめ、KADOKAWA社長の夏野剛氏、ライターの石戸諭氏、政治学者の中林美恵子氏、馬場典子アナウンサー、元財務官僚の山口真由氏といった豪華ゲストが集結。スタジオと開票センターを繋ぎ、各政党の党首に生インタビューを行いました。

番組後半に登場した神谷代表に対し、出演者からは選挙の手応えや今後の展望について質疑応答が続きました。特に注目を集めたのは、ひろゆき氏からの具体的な法案に関する質問です。参政党が参議院で法案提出に必要な10議席以上を獲得する見込みであることを踏まえ、ひろゆき氏は「最初にどのような法案を提出しようと考えているのか?」と問いかけました。

「コロナ政策の見直し」法案と移民対策への疑問

神谷代表はひろゆき氏の質問に対し、「2020年から始まったコロナの問題ですね。それの対策について、本当に政府のやったことは正しかったのか、予算がかなり使われてますけど、無駄遣いはなかったかとか、そういったことを検証する……」と回答を始めました。しかし、法案そのものの内容ではないと感じたひろゆき氏は「法案提出で、どういう法案を……」と重ねて質問。これに対し神谷代表は「あ、だから“コロナ政策の見直しをやる”という法案ですね」と返答しました。

参院選後のニコニコ生放送で政策について質問に答える参政党の神谷宗幣代表参院選後のニコニコ生放送で政策について質問に答える参政党の神谷宗幣代表

さらに、参政党が参院選で「日本人ファースト」を掲げ、「外国人問題」を争点の一つにしていたことから、ひろゆき氏は「移民対策はどういった法案を出されますか?」と具体的な法案を再び質問。すると神谷代表は「移民対策ですか? 移民対策はまず、あれですね。今、その技能実習制度を変えたので、それの見直しをもう1回やるべきかなと思っています」と、やや答えに窮した様子で回答しました。ひろゆき氏が「どのような見直しを法案で?」と踏み込むも、「うん、だから……あ」と時間切れのアナウンスが流れ、インタビューは神谷代表の回答が最後まで聞けないまま終了しました。

専門家やSNSでの「チープ」な回答への困惑と批判

インタビュー終了後、スタジオでは「最後答えてもよかったのに」「そこ答えた方がよかったのに」といった疑問の声が上がりました。ライターの石戸諭氏は、「“移民対策は技能実習制度の見直し”っていうのは、“お〜なるほど、そっちだったんだ”ってのはあるけど」「不動産の規制とかじゃなくてこっちか!みたいなのは、一瞬僕も“アレ?”みたいな感じのことは思った」と、神谷代表の回答に驚きを示しました。政治学者の中林美恵子氏も「びっくりしました。もっともっと骨太の基本法みたいなのを出してくるかなと」と苦笑。ひろゆき氏も「自民党も言ってますからね、見直し自体は」と指摘し、回答の独自性の薄さを滲ませました。

その後、選挙の所感について議論が続く中で再び参政党の話題になると、石戸氏は「先ほどのひろゆきさんの質問に対して、技能実習制度の見直しからというのが刺さりましたね」と皮肉交じりに話し、中林氏も「そこか!って本当に思いました。だってもうみんなから言われてることなんで、なんて陳腐なことおっしゃるんだろうと思っちゃった」と苦笑を交えながらコメント。石戸氏は「これ本音なんですよ。たぶん聞かれて何からいかなきゃいけないんだっけということをうまく固めきれてないんですよね」と分析し、夏野氏も「新型コロナ対策の見直しは法案じゃない。それは国会でやるべきことか」と、具体的な法案としての内容ではないことを強調するなど、出演者からは疑問の声が相次ぎました。

神谷代表の「コロナ政策の見直し」や「技能実習制度の見直し」といった回答は、X(旧Twitter)上でも大きな波紋を呼び、「1番目に出す法案がコロナ対策の見直しって笑」「あれだけ日本人ファースト掲げておきながら第一声が反ワクのこと。法案でもないし。スパイ防止法と移民対策どこいったん???」「日本人ファーストのメッキが剥がれて反ワクチンに戻るのがあまりにも早い」「まずコロナ政策を見直す法案ってどういうこと?w それに加えて最近技能実習制度から育成就労制度になったのにそれを見直し?しかもそれが移民対策の始めに出てくること? 意味不明すぎる」といった困惑や批判の声が多数投稿されました。

参政党が直面する政策具体化への課題

参議院選挙での躍進は注目に値するものの、今回のニコニコ生放送での神谷宗幣代表の発言は、参政党が掲げる政策の具体的な実現性や、その内容の深さに対して疑問符を投げかける結果となりました。特に、多くの有権者が期待するであろう、コロナ対策や移民問題といった重要政策に関する「具体的法案」への言及が曖昧であったことは、今後の党の活動において喫緊の課題となるでしょう。党が公約として掲げた「日本人ファースト」の理念を、いかに具体的な法案として国会で提示し、実現していくかが、有権者の信頼を得る上で不可欠となります。

参照元:https://news.yahoo.co.jp/articles/fe6fb427ed1fc6b81d9d3a28c13668159dc33d03