「陰キャ女子」から人気アイドルへ 会社員りぃあんさんが語る、二足のわらじの原点

広告代理店で働く傍らライブアイドルとしても活動する人気インフルエンサー、りぃあんさん。TikTokのフォロワーは35万人を超えます。前編では、学生時代のいじめなど、陰キャだったという彼女の過去を振り返りました。後編となる本記事では、なぜ彼女がアイドルの道を選び、どのように会社員との両立を目指すことになったのか、その原点とインフルエンサー活動開始の経緯に迫ります。

二足のわらじを履く会社員アイドル、りぃあんさん二足のわらじを履く会社員アイドル、りぃあんさん

憧れを封印した子ども時代 ~離婚、貧困、そして妹との日々~

りぃあんさんは、当初からアイドルを目指していたわけではなかったと言います。彼女が小さい頃に両親が離婚し、母親が働きに出ていたため、小学生の頃から家では常に妹と二人で過ごしていました。周りの友達がブランド物の新しい服を着ているのを見て、自分は何百円という安い服ばかり着ていることに正直つらさを感じていたそうです。

そのため、アイドルのようなキラキラした華やかな世界に憧れはあったものの、「自分にはなれるわけがない」と思い、その気持ちを心に封じ込めていました。

吹奏楽部のステージが扉を開けた

そんな彼女がアイドルを目指すきっかけとなったのは、高校3年生の時でした。所属していた吹奏楽部のステージで、人前に出て踊る経験をしたのです。この時、小学生の頃からずっと心の奥に封印していた「人前に立ちたい」というアイドルへの憧れの気持ちが再燃していることに気が付きました。

この経験を通じて、将来は人前に立つような仕事をしたいと強く思うようになったといいます。ちょうどその頃、SNSに投稿した動画が大きな反響を呼び、バズったことも追い風となりました。これを機に、何らかの活動者、すなわち現在のインフルエンサーのような存在になろうと考え始めたのです。高校を卒業する頃にはTikTokが流行り始めており、彼女もそこで動画投稿を続けていました。

TikTokでのバズと「石油王と繋がりたい」の誕生

高校卒業後、りぃあんさんはすぐにインフルエンサーとして活動を開始しますが、その前にまず就職の道を選びます。インフルエンサーとしての活動と並行して、「石油王と繋がりたい」というユニークなTikTokのユーザー名を決めたのもこの頃です。

この名前を選んだ理由について、彼女は当時から「お金大好き」というキャラクターで配信などでもそう発言していたこと、そしてインフルエンサーとしてファンを増やすためには個性が重要だと考えたことを挙げています。他の活動者との差別化を図るためにも、インパクトのある「石油王と繋がりたい」という名前にしたそうです。

大学ではなく就職を選んだ理由 ~母への想い~

りぃあんさんは、高校を卒業してすぐに就職しています。母親としては大学に進学してほしいという気持ちがあったそうですが、彼女は就職することで収入が安定し、仕事をしながらでもインフルエンサーとしての活動を続けられるだろうと考えました。

何より一番に考えていたのは、これ以上母親にお金を使わせたくない、負担をかけたくないという強い思いでした。経済的な自立を早く果たし、母親を安心させたいという気持ちが、大学ではなく就職という道を選ばせたのです。その後、彼女はインフルエンサー事務所であるVAZに所属し、本格的に活動を加速させていくことになります。

子ども時代の困難からアイドルの夢を一度は諦め、人前に立つことへの憧れを再認識した高校時代、そして母親への深い思いから就職を選びインフルエンサーとしての一歩を踏み出したりぃあんさん。彼女のユニークなキャリア「会社員とアイドル」という二足のわらじは、こうした背景を経て始まったのです。

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