高市早苗首相率いる新政権が、船出から大きな期待を寄せられています。若手閣僚として注目を集める小野田紀美氏の抜擢も話題となり、読売新聞が21日から22日にかけて行った世論調査では支持率71%という歴代5位の高水準を記録。10月28日にはトランプ大統領を迎えての日米首脳会談を滞りなく終えるなど、順調な滑り出しを見せる高市政権ですが、その航海の裏には、身内に潜む「不安材料」があるのかもしれません。特に、経済安保担当大臣の小野田紀美氏と財務大臣の片山さつき氏、この個性豊かな二人の女性閣僚が、政権にとって「諸刃の剣」となる可能性が指摘されています。
「岡山のジャンヌ・ダルク」小野田紀美経済安保担当大臣の”危うい剛腕”
 経済安保担当大臣に就任した小野田紀美氏が、閣僚認証式でメタリックなスーツを着用
経済安保担当大臣に就任した小野田紀美氏が、閣僚認証式でメタリックなスーツを着用
モノマネで笑いを誘う一面と、メディアへの強硬姿勢
新たに経済安保担当大臣に就任した小野田紀美氏(42)は、挨拶回りで旧知の議員から声をかけられるや、「NHKをぶっこわ〜〜す!」とN国党党首・立花孝志氏のモノマネを披露し、周囲の笑いを誘ったそうです。その一方で、「私、NHKが嫌いだからテレビ持ってなくて、見てないんですよ。取材依頼が来たらどうしたらいいんでしょう〜〜」と語るなど、メディアに対しては一貫して強硬な姿勢を示しています。
強気な発言と過去の物議
小野田氏は、2022年の参院選に岡山選挙区から出馬した際、公明党からの支援を拒否し、他党の推薦ありきではなく「それぞれ自由にやるのが自然」とSNSで投稿。結果、対立候補に18万票の大差をつけて圧勝し、「岡山のジャンヌ・ダルク」の異名を取りました。しかし、その歯に衣着せぬ物言いは時に物議を醸します。コロナ禍では「指定感染症になれば治療費は公費になる。それ目当てで日本に来る者が現れる」と訴え、外国人差別を助長するとして非難されました。2018年には自身のSNSに「国民の義務は勤労、納税、教育。義務を果たしていれば権利を主張して良い」という趣旨の投稿をし、議論を巻き起こしたこともあります。
自民党ベテラン秘書が指摘する「政治家としての胆力の欠如」
自民党のベテラン秘書は、小野田氏の党内評について「歯に衣着せぬ物言いと高い行動力が魅力だが、一度嫌いと決めたら徹底して排除してしまうのがダメなところ」と耳打ちします。新人時代からメディア嫌いを公言し、大臣就任初日の会見でも取材を拒否。本誌記者が名刺を渡した際も「う〜〜ん、いらないかな」と受け取りを拒否したといいます。また、批判的なメディアや一般人をSNSでブロックしまくる傾向があるため、「嫌いな人に頭を下げてでも、政策実現を第一にやっていくのが政治家というもの。その胆力がない」と厳しい評価が下されています。
財務省を震撼させた「パワハラ番付殿堂入り」片山さつき財務大臣
激しい国会答弁中に表情を曇らせる片山さつき財務大臣
能力は評価されながらも根強いパワハラ気質
高市政権のもう一つのアキレス腱として挙げられるのが、片山さつき財務大臣(66)です。東大時代は読者モデル経験もあり、「永田町のマドンナ」と呼ばれた片山氏ですが、その裏ではパワハラ気質で有名だったとされます。財務省出身で、省内で引き継がれる歴代パワハラ番付表には、主計官時代に「前頭筆頭」、退官後は「おかみさん」として殿堂入りしたという逸話も。当時はペットボトルを投げつけることが日常茶飯事だったとも聞かれます。
度重なるトラブルと価値観の旧態依然
片山氏は、2022年に度重なる無断欠席で所属する二階派から退会勧告を受けたことが記憶に新しいでしょう。外交防衛委員長時代の2015年には2ヵ月連続で理事会に遅刻し涙を流して謝罪。2018年には四国を「離れ小島」と呼んで批判を浴びるなど、お騒がせ議員として名を轟かせてきました。新川浩嗣事務次官や宇波弘貴主計局長は後輩にあたり、彼らをタメ口で窘めるなど、財務省と渡り合える腕力はあると評されています。しかし、昨今話題になる「ちゃん付けハラスメント」のように、男性を「君付け」で呼ぶなど、価値観のアップデートができていない点も指摘されており、周囲は「今に足を掬われるんじゃないか」とヒヤヒヤしているといいます。
高市政権を揺るがしかねない「諸刃の剣」の行方
高市首相を支える小野田経済安保担当大臣と片山財務大臣。両名とも優れた能力と強烈な個性を持つ能臣ですが、その「強気で熱くなりやすい」性格や、過去の言動が野党から厳しく追及される格好の標的となり得ます。今後の臨時国会では、高市首相が維新と連立を組むために受け入れた議員定数削減法案や、喫緊の課題である物価高対策など、重要法案が審議される中で、両大臣の言動が政権運営に大きな影響を与える可能性があります。
結論
高市早苗新政権は、高い国民の期待を背負って発足しました。しかし、その体制を支える小野田紀美氏と片山さつき氏という二人の女性閣僚は、その能力や行動力と引き換えに、過去の言動や個性的な性格が「諸刃の剣」となるリスクを抱えています。時事通信解説委員の山田惠資氏が指摘するように、野党は失言を狙って執拗な「口撃」を仕掛けてくるでしょう。この「諸刃の剣」の扱い方を誤れば、順調な船出を見せた高市政権も、思わぬ血を流すことになるかもしれません。今後の臨時国会での両大臣の手腕と、高市政権がこの課題にどう向き合うかが、注目されます。
参考文献
- 『FRIDAY』2025年11月14日・21日合併号
- FRIDAYデジタル (Yahoo!ニュース掲載記事含む)
- 読売新聞世論調査 (2025年10月21日〜22日実施分)
- 時事通信解説委員 山田惠資氏コメント
 
					




