〈これほど突然に多くの命が失われたことは、言葉では言い表せられない。ご遺族の方にお悔やみ申し上げます〉──インドのナレンドラ・モディ首相は、6月13日(現地時間、以下同)に240名以上が死亡した飛行機事故の墜落現場を訪れ、SNSで追悼文を発表した。
大手紙国際部記者が解説する。
「事故が発生したのは、6月12日13時10分発ロンドン行、航空会社『エア・インディア』の旅客機でした。現地メディア『ヒンドゥスタン・タイムズ』によると、離陸して33秒後に医科大学の学生寮へ墜落。機内には230名の乗客と12名の乗組員の合計242名が乗っていましたが、乗客1名を除いた241名が死亡。飛行機に乗っておらず地上にいた、少なくとも8名の死者も確認されているようです」(大手紙国際部記者)
事故発生当初、現地の警察署長は「乗客に生存者はいないようだ」とコメントしていた。しかし、その後にヴィシュワッシュ・クマール・ラメシュさんというインド系イギリス国籍の男性客の生存が確認されたという。
「ラメシュ氏は、出口付近の“11-A”(11列目の窓側)席に座っていたといいます。インド当局によると、墜落した残骸のなかで足を引きずっているところを発見され、その後に病院で治療を受けました。複数の怪我を負っており混乱しているものの、命に別状はないといいます。ヒンドゥスタン・タイムズの取材に対して、『どうやって生き延びたのかわからない』と話しているようです」(同前)
また、墜落した直後の出来事もこう証言している。
「ラメシュ氏は、取材で『私が起きたとき、周りには死体や飛行機の破片がありました。怖かった。私は立ち上がって走った。誰かが私をつかみ、救急車に乗せて病院に連れて行きました』と語っています。座席の位置が安全性を高めたという可能性について指摘する声もありますが、彼が生存した詳細な状況については不明とのことです」(同前)