経営危機やホンダとの統合が白紙となったのを受けて経営陣が大きく変更された日産。新たなCEOとなったエスピノーサ氏のもとで「反転攻勢」が始まったようだ。まずは今後の軍資金となる経営資金を確保し、どん底からの再生を目指す!!
【画像ギャラリー】日産版はどんなクルマになる!?マーチより小さいAセグBEV・ルノー トゥインゴE-techエレクトリック(16枚)
※本稿は2025年4月のものです
文:角田伸幸/写真:ルノー
初出:『ベストカー』2025年5月26日号
心機一転!!あとは上がるだけ!?
経営陣が交代した日産だが、新CEOイヴァン・エスピノーサ氏のもとで「攻め」の動きが始まった。
その中身をおおまかに言えば、旧知の仲であるルノーとの関係を整理して、反転に必要な軍資金を確保するもの。
互いの持ち合い株の比率を引き下げて(15%から10%に)浮いた株を売却できるようにしたり、重要拠点であるインドの合弁会社をルノーに譲り、こちらも持株分の売却益を得る。両者合わせると約1700億円超というからデカい。
一方、「止血策」としてはルノーのEV専業会社「アンペア」への出資を取りやめた。今後は車両単位でプロジェクトを進めるというが、気になるのはアンペアが2026年に発売する「電動版トゥインゴ」。
日産は独自デザインでこのトゥインゴの兄弟車を作ると明かしたのだが、となるとマーチよりも小さいAセグEVが誕生することになる。トゥインゴは開発拠点を中国に置くという話もあり、価格面も期待できる。
ともかく日産は、2025年後半から社債が続けて償還期限を迎え、原資が必要。新経営陣がまずはその荒波を無事乗り切ることを願う!