トランプ大統領誕生日に全米で数百万規模のデモ計画、過去最大の見通し

トランプ米大統領の79歳の誕生日である14日、首都ワシントンで軍事パレードが実施される。これに合わせて、政権に抗議する大規模なデモが全米で計画されており、主催者は数百万人が参加する過去最大規模になる見込みだと発表した。「ノー・キングス(王はいらない)」運動と名付けられたこのデモは、権威主義や大富豪優先の政治、民主主義の軍事化に反対する狙いがある。

軍事パレードへの直接的な対抗

今回のデモは、米陸軍創設250年を祝う軍事パレードへの直接的な対抗措置として位置づけられている。デモ当日は、トランプ氏の誕生日とも重なる象徴的な日となる。

ロサンゼルスでの強制捜査が触発

ここ数日、特に注目を集めているのがロサンゼルスでの動きだ。トランプ氏は移民政策に関連する一斉摘発に抗議する大規模デモに対し、異例の措置として州兵と海兵隊を派遣した。主催者側は、この強硬な対応がかえってデモ参加者を奮い立たせ、権威主義への抗議活動を促したと説明している。

全米への拡大と政権の対応

それ以降、ニューヨークやシアトル、シカゴ、オースティン、ラスベガス、首都ワシントンなど、全米各地の都市で強制捜査や国外退去に抗議するデモが続いている。これに対し、トランプ政権は自国民に対する軍事力の誇示を強める姿勢を見せている。

州兵派遣と知事の声明

ヘグセス国防長官は、ロサンゼルスに派遣された州兵を連邦政府の指揮下に置くのに用いた命令を他州のデモにも適用する可能性を示唆した。また、テキサス州のアボット知事は、14日にサンアントニオで予定される「王はいらない」集会などに備え、事前に州兵を派遣したことを今週明らかにした。ミズーリ州のキーオ知事も12日、「国内各地での最近の騒乱への予防措置」として州兵を動員した。共和党所属のキーオ知事は声明で、「平和的に抗議する権利は尊重し擁護するが、我が州で暴力や無法状態は認められない」と述べている。

過去最大規模の見通し

今回のデモは、トランプ氏の政策を拒絶する全米規模のデモとして初めてではない。今春には「ハンズオフ(手を出すな)!」や「50501」と銘打たれた抗議活動も実施されている。しかし、主催者側は今回の大規模デモが過去最大規模になると予想している。「王はいらない」運動を支援する組織インディビジブルの幹部、エズラ・レビン氏は、「4月のハンズオフ運動には、控えめに見ても350万人が参加した。すでに米国の人口の1%に当たる」「ノーキングスはこれを数百万人上回る勢いで、歴史的だ」との見方を示している。

トランプ政権に抗議する大規模デモ「ハンズオフ」の様子。このデモは全米で数百万人が参加し、「ノー・キングス」運動の規模を予測する上での比較対象とされている。トランプ政権に抗議する大規模デモ「ハンズオフ」の様子。このデモは全米で数百万人が参加し、「ノー・キングス」運動の規模を予測する上での比較対象とされている。

14日に予定されている「ノー・キングス」デモは、トランプ大統領の誕生日と軍事パレードという象徴的な日に行われるものであり、主催者による過去最大規模という予測は、現在のアメリカ国内における政権への抗議活動の広がりと根深さを示唆している。

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