人気バンドSEKAI NO OWARIのボーカル、Fukaseさん(39歳)が6月13日、自身のインスタグラムを更新し、過去2年間、深刻な体調不良に苦しんでいたことを明かしました。投稿では、当時の自身の「ショッキング」な写真を公開し、ファンに大きな衝撃を与えています。SEKAI NO OWARIは、2014年の「Dragon Night」の大ヒット以来、NHK紅白歌合戦に6度出場するなど、日本の音楽シーンで絶大な存在感を示しています。
公開された「ショッキングな姿」と2年間の苦悩
Fukaseさんが今回インスタグラムに投稿したのは、「この写真は載せるつもりは無かった」という言葉とともに添えられた一枚の写真です。写真に写る自身の姿を、彼は「目に力が無く、無感動で、無感情な表情は人からは分からないかも知れないけど、自分から見ると今でも鮮明にショッキングに映る」と表現しています。
体調不良の具体的な症状については、「酷い船酔いの様な、二度と酒を飲まないと誓う二日酔いの様な体調がおよそ二年間続いた」と説明。食事は喉を通らないにも関わらず、酒を浴びるように飲み、吐くほどピザを詰め込むといった荒れた食生活を送っていたといいます。また、発する言葉も「少ない口数だが、出てくる言葉は禍々しく、汚く、醜く、弱かった」と、精神的にも追い詰められていた様子が伺えます。
体調不良だった時期のSEKAI NO OWARI Fukase。目に力がなく、無感情な表情を見せている
過去の経験が音楽に与える影響
Fukaseさんの壮絶な経験は、今回が初めてではありません。2021年6月放送のテレビ番組では、中学2年生の頃に集団リンチに遭った経験を告白。大怪我を負った後、学校で誰とも口を利いてもらえなくなった辛い時期、唯一変わらず接してくれたのが、現在のギタリストであるNakajinさんだったと語っています。
さらに、アメリカ留学中に病気を患い帰国後、閉鎖病棟に入院していたことも明かしています。2020年2月のインスタグラム投稿では、監視カメラの前で排泄も行わなければならない「保護室」での経験や、社会からドロップアウトしたと感じた10代の闘病生活について、「自分には、それこそ“世界の終わり“と感じる闘病生活の始まりだった」と綴っていました。
これらの過去の困難な経験は、SEKAI NO OWARIの楽曲にも深く影響を与えています。「銀河街の悪夢」という楽曲は、Fukaseさんが閉鎖病棟に入院していた頃の体験に基づいて書かれたものとして知られています。彼の経験を知るファンにとって、その音楽は単なるエンターテイメント以上の意味を持っています。
現在の回復とファンからの温かいエール
今回の投稿の最後で、Fukaseさんは「何の生産性も無く、無意味なあのベッドルームでの戦いがおれの血や肉になってると良い。回復して一年半。ようやく自分の人生を前に進み始める事が出来ました」と、現在の回復と前向きな心境を明かしました。
この投稿に対し、ファンからは多数の温かいコメントが寄せられています。「辛い思いをたくさんしてるからこそ、今のFukaseくんがいて、素敵な曲ができて、みんなを元気づけられる」「率直な言葉を発信してくださりありがとうございます」「深瀬くんの、セカオワの作る音楽で救われてる私がいます」など、心配と感謝、そして彼の音楽に救われているという声が溢れています。
音楽ライターは、Fukaseさんの過去の経験がファンに広く知られている事実と、それが彼の音楽活動に与える影響について言及。「ファンは彼のこれまでの苦しみをよく知っているので、今回の投稿にも心を揺さぶられた人が多かったのでしょう」と分析しています。
壮絶な経験を乗り越え、回復したFukaseさん。これからも、その経験を糧に、多くのファンの心を支える力強い楽曲を生み出していくことが期待されます。