中居正広氏、第三者委員会への抗議を公表 フジテレビ揺れる性暴力認定問題

7月5日、元「SMAP」の中居正広氏の代理人弁護士が、フジテレビなどが設置した第三者委員会に対し、中居氏本人が行った抗議の内容を公表した。この新たな動きは、依然として中居氏に対する厳しい目が注がれている中で行われた。

中居正広氏とフジテレビ:第三者委員会による性暴力認定問題に関する報道写真中居正広氏とフジテレビ:第三者委員会による性暴力認定問題に関する報道写真

問題の背景と第三者委員会の認定

事の発端は、2023年6月に中居氏が元フジテレビの女性アナウンサーを自宅に誘った際に起きたとされるトラブルだ。2024年3月末に公表された第三者委員会の調査報告書では、このトラブルが性暴力であると認定された。これに対し、中居氏は5月以降、代理人弁護士を通じて性暴力認定そのものを否定し、この認定の根拠となった証拠の開示を複数回求めていた。しかし、第三者委員会は6月3日、証拠開示に対する回答を差し控えることを発表していた。

最新の抗議声明:調査方法への批判

回答拒否から約1カ月が経過し、中居氏の代理人弁護士は改めて委員会側の姿勢を強く批判する声明を発表した。声明では、《人権救済に対する回答拒否は、中居氏にとっては「一次被害」と呼べるものです》と述べ、委員会の対応が中居氏の人権を侵害していると主張した。

さらに、性暴力と認定するに至った調査方法についても異論を唱えた。代理人弁護士が明かした内容によれば、委員会が女性とのトラブルについて中居氏にヒアリングを行った際、「なんで女性と食事するのか」「女性と食事するのが好きなのか」など、抽象的かつ執拗な質問が繰り返されたという。そして、弁護士は、《貴委員会の『性暴力』の広範な定義によれば、その質問態様自体が中居氏に対する『性暴力』(セクシャルハラスメント)に該当するものです》と主張し、委員会の調査手法自体がハラスメントに当たるとの見解を示した。これは、第三者委員会の調査に対する中居氏側の厳しい姿勢を示すものと言える。

公衆の反応と「守秘義務」を巡る疑問

中居氏側の新たな抗議声明が出されたにもかかわらず、SNS上の反応などからは、依然として中居氏に対する厳しい意見が多く見受けられる。特に、「守秘義務」を巡る中居氏の対応に疑問を持つ声が目立つ。

「報告書作成の最中、被害者が守秘義務を解除しても良いと決意した時に中居側が拒否するからこうなった」といった意見や、「不服なら守秘義務解除して中居が会見しな」といった、中居氏自身が全面的に情報を公開すべきだとの主張が見られる。

「守秘義務」に関する経緯と疑念

守秘義務に関する経緯は複雑だ。3月の第三者委員会の報告書には、被害女性側が守秘義務の解除に応じる意向を示したにもかかわらず、中居氏側がこれに応じなかったと記されていた。その後、中居氏側は5月になって守秘義務解除を委員会に提案したが、委員会側がこれを拒否したと抗議している。

しかし、委員会のその後の説明によれば、1月31日時点では当時の中居氏の代理人弁護士は守秘義務解除に前向きな姿勢を示していたものの、2月に入って一転して否定的な姿勢に変わったとされる。こうした中居氏側の姿勢の「心変わり」があったため、守秘義務を全面的に解除した場合に、中居氏にとって不都合な事実が明るみになるのではないか、と疑う人々も少なくない。

相次ぐ反論と問題のすり替え印象

今回の委員会への抗議は、中居氏側が自身の立場を強く主張し続ける姿勢を示している。しかし、一連の委員会のヒアリングに対して、中居氏が当初非協力的な姿勢を示していたと見る向きも根強く存在する。そのような中で、今になって委員会の調査方法を「セクハラ扱い」するかのような声明を発表したことは、本来の問題点から論点をずらそうとしているのではないか、という印象を持つ人もいるようだ。

中居氏が芸能界を引退してから約半年が経過しようとしている。表舞台から身を引いた後も続く一連の反論と、それに対する公衆の反応。この問題が最終的にどのような着地点を迎えるのか、引き続き注目される。


参照元: https://news.yahoo.co.jp/articles/69618714ac7d3a5e1ddf735c88054c5177969760