【カイロ=佐藤貴生】イスラエルとイランの交戦は15日も続き、イランは13日に交戦が始まってからの死者が224人に達したと発表した。中東の衛星テレビ局アルジャジーラが伝えた。イスラエルはイランの首都テヘランに激しい空爆を行っており、多数の住民が市外に避難し始めたとの情報もある。
イラン北東部マシャドでは15日、国際空港の空中給油機がイスラエル軍の攻撃を受けた。イラン軍はイスラエルが制空権の獲得を狙っているとの見方を示した。
また、イランでは最高指導者ハメネイ師に直属する革命防衛隊の情報部門トップらがイスラエル軍に殺害された。同隊では戦闘が始まった13日の攻撃でトップの司令官も殺害されている。
ロイター通信は米政権の複数の当局者の話として、ハメネイ師を殺害するとのイスラエルの計画にトランプ米大統領が反対したと伝えた。
他方、イランは15日夜、イスラエルに多数のミサイルを発射し、イスラエル北部ハイファでは火災が起きて少なくとも15人が負傷した。イスラエルでは15日夜、西部テルアビブなどでも空襲警報のサイレンが鳴り響き、迎撃システムが作動した。ネタニヤフ首相は同日、死者が出た被災地を視察し、イランに「重い代償」を支払わせると述べた。
ロイターによると、開戦後の2日間でイランは弾道ミサイル270発を発射し、このうち22発は迎撃できなかった。これまでにイスラエルでは少なくとも13人が死亡、300人超が負傷した。