大学受験は日本の10代にとって大きな節目の一つです。学歴社会とされる日本では、進学する大学がその後の人生、特にキャリアの選択肢に大きな影響を与えます。この重要な選択を深く考えず、後になって後悔する学生が多いのが現状です。特に「Fラン大学」と呼ばれる大学に進学した学生から、こうした声が多く聞かれます。受験に関する著書もあるびーやま氏に、後悔の実態とその理由について伺いました。
Fラン大学進学後に見られる後悔の現実
びーやま氏は、多くの学生と接する中で、特にFラン大学に進学した学生に「高校時代にもっと真面目に進路や勉強を考えておくべきだった」と後悔する声が多いと感じていると言います。彼らは必ずしも明確な目標があったわけではなく、周囲に合わせて、あるいは他に選択肢がないと感じてなんとなく大学に進んでしまったケースが多いようです。その結果、入学後に思い描いていたキャンパスライフや学びにギャップを感じることが後悔の出発点となります。
日本の学歴社会における大学受験と学生の将来
具体的な後悔の瞬間：授業レベルの低さと学習意欲の喪失
後悔を感じる具体的な瞬間の1つは、入学後の授業内容にあると言います。多くの人が想像する大学のレベルとは異なり、Fラン大学では中学レベルの基礎から授業が始まることも珍しくありません。例えば、英語ではbe動詞と一般動詞の区別、数学では分数の計算といった初歩的な内容が扱われることもあるそうです。高等教育機関である大学で、なぜこれほど基本的な内容を繰り返すのか、という戸惑いがあるようです。
このような授業レベルの低さに直面した学生は、大学で学ぶことへの期待を裏切られたと感じ、ガッカリしてしまうと言います。「せっかく大学に来たのに、やっていることは中学レベルか」と、大学に通う意味そのものを問い直してしまう学生も少なくないようです。もちろん、そうした大学を選んだのは本人であるため、大学だけを責めることはできませんが、このギャップが大きな失望につながります。特に、他の大学に進学した友人とのレベルの違いを実感した際に、後悔の念が強まることもあります。
具体的な後悔の瞬間：厳しい就職活動の現実
もう一つの決定的な後悔の瞬間は、大学卒業を控えて直面する就職活動です。これは非常に分かりやすい理由で、出身大学によって企業の対応が明らかに異なる現実を突きつけられるからです。一部の有名企業では、特定の大学からの応募者しか書類選考を通さないといった現実も存在します。
書類選考の段階で門前払いされるのは当たり前、たとえ説明会に参加できても、面接に進むことさえ非常に困難なケースが多いと言います。この厳しい現実を前にして、高校時代にもっと努力して、より評価される大学に進学していれば良かったと、強く後悔する学生が多いのは当然の感覚でしょう。あの時もう少し頑張っていれば、今とは違う選択肢があったかもしれない、と感じる瞬間です。
大学受験とその結果としての進路選択は、その後の人生、特にキャリア形成において非常に大きな意味を持ちます。安易な選択は、入学後の学習環境や将来の就職活動における困難として現実となり、深い後悔につながりかねません。自身の将来を真剣に考え、高校時代から計画的に学習に取り組むことが、後悔のない「自分らしい」進路を切り開くために不可欠と言えるでしょう。びーやま氏の著書『17歳のときに知りたかった受験のこと、人生のこと。』も参考になるでしょう。
