斎藤元彦兵庫県知事の疑惑を告発した元県西播磨県民局長=昨年7月に死亡=の私的情報漏洩(ろうえい)問題で、県議会の自民党会派に所属する長瀬猛県議が、情報を漏洩した元総務部長の井ノ本知明(ちあき)氏に対する地方公務員法違反罪の告発状を兵庫県警に提出したことが17日、分かった。長瀬氏単独での動きで「斎藤知事の代わりに告発した」としている。
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漏洩問題を巡っては、県の第三者委員会が5月に発表した報告書で、井ノ本氏が県議3人に対して情報を漏洩したと認定。「知事や元副知事の指示で、情報漏洩を行った可能性が高いと判断せざるを得ない」と結論付けた。県は井ノ本氏を停職3カ月の懲戒処分としたが、社会的制裁を受けたとして刑事告発は見送っている。
告発状では、井ノ本氏が元局長による告発文の配布を「組織に対する背信行為」とみなし、作成者を特定する調査の過程で「秘密情報を不正に取得、利用、漏洩した」と指摘。「重大な職権濫用にあたる」とした。