埼玉県さいたま市大宮区に住む無職・斎藤純容疑者(31)が、7年前に行方不明になった茨城県の宮本果歩さん(当時21)を自宅で殺人した疑いで埼玉県警に逮捕されました。斎藤容疑者は「ロープを使って首を絞めて女性を殺した」と供述を始めており、県警は大宮区の自宅からロープを押収し、供述の裏付けを進めています。
宮本果歩さん殺害事件で供述を始めた斎藤純容疑者
斎藤容疑者の生い立ちと相次ぐ不幸
斎藤容疑者の父親を知る古くからの知人男性は、家族の背景について語りました。容疑者の祖父はこの地域で評判の中華料理店を経営しており、父親は約20年前にその隣で飲食店を始めました。両親は夫婦で店を切り盛りし、知人によれば父親は人当たりの良い人物だったといいます。家族には容疑者の他に長男がいましたが、約15年前、19歳の時にオートバイ事故で死亡しました。寿司の配達のアルバイト中の事故だったと聞かされています。
約10年ほど前から、母親が新興宗教に深く関与し始め、過激な勧誘もしていたといいます。知人は、母親が団体のメンバーとして知人宅を訪れたのを見たことがあると語りました。また、斎藤容疑者と母親の間には宗教観を巡る確執があった可能性も取材で明らかになっています。父親は宗教に関心がなかったようです。知人は、兄の死や母親の宗教などが容疑者に何らかの影響を与えた可能性を感じていました。
さらに約1年ほど前には父親の弟(容疑者の叔父)が亡くなり、数ヶ月前には祖母が叔父の遺体を発見したショックで体調を崩し、祖父が町中華を畳むという不幸が続きました。容疑者の部屋が「つっかい棒」で隔てられていた様子からも、家族関係の複雑さがうかがえます。
斎藤容疑者が家族と暮らしていたマンションの外観
埼玉県警は、斎藤容疑者の供述に基づき、押収したロープなど物的証拠との整合性を慎重に調べています。相次ぐ家族の不幸に見舞われた中で発生した今回の凶悪事件は、容疑者の心理や家族関係の複雑さを浮き彫りにしており、今後の捜査の進展が待たれます。