全国に200店舗を展開する大手ラーメンチェーン「来来亭」の浜松幸店で発生した商品の異物混入問題に関して、株式会社来来亭は6月13日、公式サイト上で詳細な調査結果と今後の対応方針を発表しました。この件は、消費者や飲食業界から高い関心を集めていました。日本ニュース24時間では、来来亭の公式発表に基づき、事の経緯と調査結果、再発防止策を詳しくお伝えします。
本騒動の発端は、6月9日にX(旧Twitter)に投稿された動画でした。この動画には、来来亭のラーメンのチャーシュー上に複数の虫が這う様子が映っており、投稿には「昨日来来亭でラーメンを食べようとしたらウジ虫が…お気に入りの店だったので残念です」とのコメントが添えられていました。この動画は瞬く間に拡散され、大きな波紋を呼びました。現在、問題となった動画は削除されています。
来来亭の店舗外観。異物混入に関する調査結果が発表されたことを示す。
来来亭が今回公表した調査結果では、事態の経緯が時系列で詳細に説明されています。顧客から「小ラーメンに異物が混入している」との指摘があったのは6月8日午後6時頃のことでした。これを受け、店舗従業員は対象商品の具材を別容器に移し、複数回にわたり目視確認を試みましたが、異物を確認できず、最終的に商品を廃棄したとしています。会社としてこの異物混入を認識したのは、6月9日にSNSで拡散された動画によってであり、直ちに該当店舗の特定と本格的な調査に着手したとのことです。
混入した害虫の特定と混入経路の調査
混入した害虫の種類を特定するため、来来亭は所管の保健所や専門業者の協力を得て調査を進めました。その結果、「ネギハモグリバエ」または「センチニクバエ」である可能性が挙げられましたが、残念ながら最終的な特定には至りませんでした。
「ネギハモグリバエ」は、ラーメンのトッピングとして使用されるカットネギなどに幼虫や成虫が付着する可能性のある害虫です。来来亭の発表では、浜松幸店で使用されていたネギの検査では付着が確認されず、また、取引業者や工場での調査でも同様に付着は確認されなかったと報告されています。一方、「センチニクバエ」はチャーシューのような動物性食材を好む性質があり、その場で幼虫を産み付けることがあります。この種のハエの混入経路としては、チャーシューを炊き上げた後の放冷時間、カット後の盛り付け前、または提供後から顧客が食事を始めるまでの極めて短時間内に産み付けられた可能性が考えられています。保健所がチャーシューの調理工程から提供までの流れを確認した調査では、店舗で生の肉を整形してから炊き上げるため、生肉からの混入は考えにくいとの見解が示されています。
その他の食材への付着可能性については、来来亭は「完全に否定することはできません」としつつも、各仕入れ業者への聞き取りの結果、「生肉に寄生虫が付着した状態での出荷はあり得ない」との回答を得ており、他の食材からの混入可能性は極めて低いとの認識を示しています。
再発防止に向けた取り組み
今回の事態を受け、来来亭は再発防止策として主に二つの柱を打ち出しました。一つは「衛生管理の徹底」、もう一つは「各店舗への指導の徹底」です。具体的な対策として、チャーシューを冷ます際には必ず放冷用のカバーを使用すること、以前にも増してチャーシューの作り置きを減らすことの周知徹底、短時間であっても全ての容器に蓋をすることの指導と監督の徹底などが挙げられています。加えて、全店舗に対して衛生管理研修を実施することも発表されました。
さらに、来来亭は店舗全体の衛生環境および美化水準をさらに向上させることを目的に、6月19日を全国の全店舗で一斉に臨時休業日とすることを公式サイトで告知しました。
多くの顧客に支持されている来来亭にとって、今回の異物混入問題は信頼回復に向けた重要な局面となります。会社として透明性の高い情報公開と具体的な再発防止策を迅速に実行していることから、今後の信頼回復に期待が寄せられています。
参考資料: