天皇ご一家「慰霊の旅」続く雅子さまに懸念の声 長崎訪問で一区切りも試練の夏へ

天皇ご一家は6月4日・5日、1泊2日の日程で沖縄県を訪問されました。天皇陛下がお子さまである愛子さまを伴って公式の慰霊行事に臨まれるのは、異例のことです。これは、天皇陛下と雅子さまが、戦後80年の節目となる今年の「慰霊の旅」を非常に重視されていることの表れといえるでしょう。

愛子さまの気遣いと雅子さまの心強さ 沖縄訪問で見られたご一家のご様子

長年にわたり皇室関連の番組制作に携わってきた放送作家は、沖縄でのご一家の様子について、特に愛子さまが雅子さまを気遣われている様子が印象的だったと語ります。例えば、訪問先で車を降りる際、愛子さまが先に降りて両陛下をお待ちになっていました。このとき、雅子さまは愛子さまの姿に笑顔を見せられていました。また、説明を受けたり、お話を聞いたりする際には、雅子さまと愛子さまがまるで一心同体のように、同じタイミングで相槌を打たれていたといいます。皇室担当記者によると、慰霊の旅という性質上、雅子さまも心に期するものがあったでしょうが、愛子さまがそばにいることで、心強く感じられたことでしょう。

沖縄国際海洋博覧会での企画展を鑑賞される天皇ご一家。戦没者慰霊のため同県を訪問中。沖縄国際海洋博覧会での企画展を鑑賞される天皇ご一家。戦没者慰霊のため同県を訪問中。

広がる慰霊の旅の範囲 広島、モンゴル、そして長崎へ

天皇皇后両陛下による今年の「慰霊の旅」は、4月の硫黄島ご訪問から始まりました。今週の6月19日・20日には、天皇陛下が即位後初めて広島県を訪問し、広島平和記念公園の原爆死没者慰霊碑に供花される予定です。雅子さまにとっては、2000年11月以来、実に25年ぶりのご訪問となります。

さらに7月上旬には、モンゴルを公式訪問し、首都ウランバートル郊外にある日本人抑留者の慰霊碑を訪れる方向で調整が進められています。モンゴルでは終戦後、約1万4千人の日本人が旧ソ連によって抑留され、過酷な強制労働を課され、飢えや寒さにより約2千人が命を落としました。天皇陛下は皇太子時代の2007年にもこの慰霊碑に供花されていますが、雅子さまのモンゴル訪問はこれが初めてとなります。両陛下による戦争の記憶を次世代に伝えるための慰霊の旅は、9月の長崎県ご訪問まで、あと3カ月間続くことになります。長崎もまた、雅子さまにとっては29年ぶりの訪問です。

多忙極める公務と雅子さまの体調への懸念

一連の「慰霊の旅」は、雅子さまが皇后となられてから初めて経験される試練ともいえます。宮内庁内からは、いまだご療養を続けられている雅子さまのご体調を心配する声が上がっています。

宮内庁関係者は、慰霊の旅における訪問先が初めての場所であったり、あるいは長年訪れていなかった場所であったりすることが多い点を懸念しています。沖縄訪問中の雅子さまも、お会いになった方々には笑顔で対応されていましたが、ふとした瞬間に疲れが見て取れる様子もあったといいます。特に今年は、例年の地方訪問や行事に加え、1月には兵庫県で阪神・淡路大震災30年追悼式典、4月には大阪・関西万博の開会式に臨席されました。さらに、万博関連で各国の王族や元首の表敬訪問が相次いでおり、雅子さまは夕食会などで精力的に接遇を務められています。

このように、戦後80年の節目に行われる重要な「慰霊の旅」に加え、その他の多岐にわたる公務が重なり、雅子さまは心身ともに多大な負担を抱えられている状況です。9月の長崎訪問まで続く多忙な日々の中で、雅子さまがこの試練を乗り越えられるか、周囲の懸念は払拭されていません。