イスラエル軍、イランにサイバー攻撃も 応酬激化で収束見通せず


【図でわかる】イラン・イスラエルの対立

 イスラエル軍は18日、これまでに1100カ所以上の標的を攻撃し、対空ミサイル施設や地対地ミサイルの保管庫などを破壊したと発表。大規模なサイバー攻撃も実施したと報じられている。カッツ国防相はX(ツイッター)に、「政府の象徴が爆撃で破壊されている。住民の大半が逃げるだろう。独裁政権はこうして崩壊する」と投稿した。

 独自に死傷者を集計している在米人権団体HRAによると、イラン側のこれまでの死者は少なくとも239人の民間人を含む計585人、負傷者は1326人に上る。

 核施設でも被害が出ている。国際原子力機関(IAEA)によると、中部ナタンツの核施設では、地上の施設に続き、地下のウラン濃縮施設にも攻撃の影響が及んでいることが確認された。また、イスラエル軍は18日、テヘランでウラン濃縮に用いる遠心分離機の製造拠点を攻撃したと発表。イランが進めてきたウラン濃縮について「民生用に必要なレベルではない」として、核兵器の開発が目的だったと主張した。

 イランもイスラエルへのミサイルによる波状攻撃を繰り返しており、13日以降に発射したミサイルは約400発に上った。だが、一度に発射される数は交戦初期より減っており、イスラエル側の被害も限定的だった模様だ。

 イスラエル軍はこれまでに200以上のミサイル発射施設を攻撃したとしており、イランのミサイル戦力に影響が出ている可能性もある。一方で、イスラエルでは弾道ミサイル用の迎撃弾が不足しつつあるとも報じられており、イラン側が初期のような一斉射撃に踏み切れば、大規模な被害につながる恐れも残る。【カイロ金子淳】



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