昨夏の東京都知事選で3位に沈んだ蓮舫前参院議員が、今夏の参院選への出馬をほぼ確実にしている模様だ。かつては国会で鋭い舌鋒を振るった蓮舫氏だが、都知事選の惨敗後は一時的に活動を控えていた。しかし、最近では政界関係者との交流を再開し、次期参院選への意欲を強く示しているという。彼女はすでに、当選して議員バッジをつけたかのような気迫で、自身の国政復帰について語っているようだ。
参院選出馬の可能性が報じられる蓮舫氏の公式写真
蓮舫氏の再出馬意欲と党内の複雑な空気
立憲民主党関係者によると、都知事選直後のショックから立ち直った蓮舫氏は、最近は毎晩のように政界関係者と飲食を共にし、精力的に活動しているという。酒席では、過去の政治活動や現在の政治課題について熱く語り、特に参院選への出馬について力を込めているとされる。内々には比例代表での立候補が決まっているとの見方もあり、グラスを片手に「いま、私が国会にいなくちゃダメでしょ!」と意気軒昂に語る姿は、周囲から見ればすでに「すっかり議員バッジを着けた気」になっているように映るらしい。
一方で、身内である立憲民主党内、特に今夏改選を迎える比例代表選出議員たちの間には強い危機感と懐疑的な声がある。前々回の参院選比例代表では、党はおよそ670万票を獲得し8人が当選したが、今回は党勢低迷により議席数が7人程度に減る可能性が高いとみられている。そこに蓮舫氏が加わることで、他の候補者が「割を食う」ことへの拒否感が相当なものだという。執行部は、党内の異論が根強いにもかかわらず、「レンちゃんなら公示前ギリギリの発表でも当選できる」と強気の姿勢を崩していない。蓮舫氏自身も、反対する勢力に対して「いつまで文句を言うのやら」と突き放すような態度を見せていると報じられている。
与党自民党、「蓮舫復帰」を歓迎する理由
意外なことに、与党である自民党内からは蓮舫氏の国政復帰を歓迎する声が上がっている。自民党関係者は、重鎮議員らが「蓮舫には戻ってほしいなぁ」と話していると明かす。その理由の一つとして、蓮舫氏が他人への厳しい批判が自身に跳ね返ってくる「立民ブーメラン」の体現者の一人であるため、彼女の「敵失」に期待する向きがあるという。
さらに多くの声は、「野党議員を説き伏せるタイプの石破茂首相との論戦を見てみたい」というものだ。自民党内では、蓮舫氏が激しい論戦を展開する一方で、与党議員との水面下での交渉には応じるところがあるとも見られており、「そういう議員がいる方が国会は盛り上がる」という逆説的な意見も存在する。重鎮やベテラン議員の間では、「蓮舫は思い付きと思い込みの人。議論では弁の立つ首相には勝てないだろう」という計算もあるようだ。彼女の過去の二重国籍疑惑や、薬物使用で逮捕された元会社経営者との交友など、都合の悪い話題には言葉を濁す傾向も、与党がつけ入る隙と見なされている可能性がある。
まとめと今後の展望
蓮舫氏の次期参院選への出馬は濃厚となり、「議員バッジ」への強い意欲を見せている。しかし、その復帰は与党からは歓迎されつつも、「ブーメラン」や予測可能性への期待が背景にある。一方、所属する立憲民主党内では、特に比例代表候補からの強い反発が存在し、党勢低迷の中での議席争いへの懸念、そして国民民主党が不倫疑惑の山尾志桜里元衆院議員を擁立した際に党勢が急降下した例に見るような世論の反発リスクも指摘されている。一度は参院議員の職を辞しておきながら、「失敗したから戻りたい」というのは虫が良すぎるのではないかという批判も根強い。蓮舫氏がこれらの批判にどう向き合うのか、今後の展開が注目される。
参照元
- 週刊新潮 2025年6月19日号
- Yahoo!ニュース