日本の「7月5日大津波予言」がアジアで拡散、観光業界に大打撃 香港・台湾での影響と背景

日本で「7月5日に大津波が襲来する」という予言が、香港、韓国、台湾などアジア各地で広く拡散され、訪日観光客の減少という形で日本の観光業界に大きな影響を与えている。この不穏な噂の背景には、地域特有の様々な事情が見て取れる。

アジアで「予言」が拡散する背景

この予言の拡散には、人気YouTuber「老高與小茉」の影響が大きい。彼らのチャンネルで書籍『私が見た未来 完全版』が紹介され、関連動画は870万回以上再生された。チャンネル登録者数も660万人を超え、その影響力は大きい。中国系YouTuberによる同様の動画も多数見られる。厳格な情報統制がある中国本土と異なり、特別行政区である香港ではこうした情報が比較的自由に流通しやすいため、広範な層に到達している。

アジアで日本の津波予言拡散の契機となったとされる書籍『私が見た未来 完全版』の書影アジアで日本の津波予言拡散の契機となったとされる書籍『私が見た未来 完全版』の書影

訪日旅行控えの心理と文化的要因

香港や台湾で旅行控えの心理が生まれる背景には、「万が一」を避ける安全志向や、地震が少ない地域ゆえの防災意識の低さ、そして未知の災害への過度な恐怖がある。多くの拡散動画がオーバーに誇張された津波や地震のイメージ画像を使っており、不安を煽っている側面もある。また、これらの地域には風水など超自然的なものを信じる文化が根強く、著名な風水師のお墨付きやゴシップ紙での大々的な報道が、予言への懸念を増幅させている。

日本の「7月5日大津波予言」で語られる、日本列島を襲う壊滅的な津波の想像図日本の「7月5日大津波予言」で語られる、日本列島を襲う壊滅的な津波の想像図

日本観光への具体的な影響

こうした噂により、特に香港や台湾からの訪日旅行を控える動きが見られ、観光業界に打撃を与えている。昨年度の訪日香港人は268万人超に及び、人口比で見ても日本旅行経験者が多い。特に6月中旬から9月初めは夏休み時期にあたり、本来であれば最も訪日客が増えるタイミングであるだけに、予約減少の影響は無視できない。

結論

「7月5日大津波予言」は、人気YouTuberの影響やアジアの地域文化を背景に香港・台湾で拡散。このデマは、夏休み時期を控えた日本の観光産業に深刻な影響を与えている。

参考文献
https://news.yahoo.co.jp/articles/54a2442da688e5834b7ca14ccec1cc1b15cfa5fd