「ナッツリターン」趙顕娥元副社長、高級マンションが国税滞納で差し押さえ・競売へ

「ナッツリターン事件」で世間に広く知られることとなった大韓航空の元副社長、チョ・ヒョナ(趙顕娥)氏の所有する高級マンションが、国税滞納を理由に複数回にわたり差し押さえられ、最終的に裁判所へ強制競売の申し立てが行われたことが明らかになった。この事態は、韓国社会における富裕層の税金問題として注目されている。

国税滞納による複数回の差し押さえ

女性誌「ウーマンセンス」の報道によると、趙顕娥氏のソウル市江南区道谷洞にある高級マンションは、2024年1月16日、9月25日、12月11日、そして2025年4月30日と、計4回にわたって国税庁による差し押さえを受けている。差し押さえの具体的な理由は個人情報保護のために公表されていないが、担当部署が主に「個人事業者および法人事業者の滞納案件」を扱っていることから、法人税や付加価値税など、事業に関連する税金の滞納が原因である可能性が高いと推測されている。なお、最新の差し押さえを除く過去3件については、すでに措置が解除されている状況だ。

対象となった高級マンションと購入経緯

差し押さえおよび競売の対象となっているのは、ソウル市江南区道谷洞に位置する高級マンション「ローデンハウス」の一室。全52戸から成るこのマンションの中でも、趙顕娥氏が所有するのは1フロア1世帯構成の「ウェストビレッジ」の1戸である。趙氏は2018年9月に保証金30億ウォンで入居し、その後2020年6月に45億ウォンで購入。以来、7年間にわたり居住していると報じられている。

元大韓航空副社長の趙顕娥氏。税金滞納により自宅マンションが差し押さえ、競売の危機に瀕している。元大韓航空副社長の趙顕娥氏。税金滞納により自宅マンションが差し押さえ、競売の危機に瀕している。

強制競売の申し立てとその背景

国税庁がマンションを差し押さえたのと同じ日、裁判所には趙顕娥氏の自宅に対する強制競売開始決定事件が提出されたことが確認されている。競売請求金額は公表されていないが、2023年1月に同じ建物内の別の物件が47億5000万ウォンと評価されたことを踏まえ、今回の請求金額も50億ウォン未満と推定されている。国税滞納に端を発した一連の差し押さえを経て、最終的に強制競売へと発展したこの事態は、元財閥一家の動向として引き続き注目される見通しだ。

参考文献:
KOREA WAVE/AFPBB News (https://news.yahoo.co.jp/articles/490a199d9029d932ad27f95ffbc44df22c169667)