のぶ(今田美桜)が立ち尽くした終戦の朝…なぜ『あんぱん』は“33回”も戦争を描いたのか?【第60回レビュー】


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● のぶ(今田美桜)に届いた 次郎(中島歩)からの知らせ

 長かった戦争が終わりを迎えた。

 久しぶりにのぶ(今田美桜)のエピソードが中心に描かれた。

 「ハチキンがついちゅうき大丈夫や」と頼もしいセリフもあった。

 冒頭、次郎(中島歩)からはがきが来た。彼は日本に戻ってきたものの入院していた。急いで見舞いに行くのぶ。

 個室に入っている次郎。優雅な感じではある。海軍病院で手厚い看護を受けているようだ。

 のぶが持ってきたらしい花を手前にカメラが横移動して、のぶと次郎を映す。窓の外にも緑があり、息が詰まる戦時中に、少しだけホッとできる。

 写真の腕は上達したかと次郎に聞かれて、フィルムがもったいないので撮っていないと答えるのぶ。空のカメラで撮る練習だけはしていると、次郎に向けてシャッターを切った。

 無事に帰ってきたら次郎の写真を撮ると言っていたけれど、フィルムが入っていないのは残念なことだろう。でも病気でやつれた次郎の写真を撮るのも悲しい。そう思うと、やっぱり元気な次郎を撮っておくべきだったという後悔が生まれるのではないだろうか。ここから回復すればいいけれど、のぶはやがて嵩(北村匠海)と結婚することがわかっているので、胸が痛い。

 のぶは、次郎が言っていたことが正しく、日本は勝てないであろうと認めるが、次郎は戦争の話をしたくなさそうだ。自分の話は一切せず、次郎はのぶの話ばかり聞きたがる。



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