梅雨の時期から一転し、連日30℃を超える猛暑日が続く日本の夏。今や冷房は生活に欠かせない必需品となっています。しかし、今夏初めてエアコンをつけた際に、不快なニオイを感じた方も多いのではないでしょうか。パナソニックが行ったエアコンのお手入れに関する最近のアンケート調査によると、「今年のエアコン冷房利用開始時、エアコンからモワッと臭を感じた」と回答したユーザーは74%に上り、実に7割以上がニオイを経験していることが明らかになりました。この不快なニオイの主な原因は、エアコンの内部に溜まったホコリやカビです。さらに同調査では、回答者の26%が「エアコンにカビが生えている」と回答しており、およそ4人に1人の割合でエアコン内部にカビが発生していると考えると、これは非常に身近で重要な生活問題と言えます。パナソニックが解説する、エアコンのカビを予防するための効果的な方法を見ていきましょう。
エアコン内部にカビが発生しやすい条件
カビが増殖するためには、「温度」「湿度」「栄養」という3つの条件が重要です。これらの条件が揃うと、カビは急速に繁殖します。特に、室内で発生するカビにとって、温度20℃〜30℃、湿度70%以上の環境は最も適した条件となります。日本の梅雨時期はもちろんのこと、冷房や除湿機能をエアコンが使用すると、その直後にエアコン内部に結露が発生し、湿度が高くなります。この結露こそがカビにとって絶好の生育環境を作り出すため、特に注意が必要です。カビ発生の3要素のうち、「温度」と「栄養(ホコリなど)」の対策は難しいため、残りの要素である「湿度」をコントロールすることが非常に重要になります。冷房や除湿を使った後には、エアコン内部をしっかりと乾燥させ、水分を残さないようにすることがカビ予防の鍵となります。
エアコン内部に発生したカビのイメージ画像
効果的なエアコンのカビ予防法
カビ対策として最も有効なのは、エアコンフィルターのこまめな掃除です。フィルターのメンテナンスは、エアコンの性能維持に不可欠です。フィルターの汚れはカビの温床となりニオイの原因になるだけでなく、エアコンの能力低下や消費電力の増加、さらには本体寿命の低下など、カビ以外の多くのデメリットを引き起こします。パナソニックの比較によると、エアコンフィルターを1年間掃除しない場合と掃除した場合では、掃除しない場合は暖房時に約25%も無駄な電力を消費するという結果が出ています。冷房時も風量や冷え方が弱くなり、機種によっては年間で1万円以上も電気代が無駄になってしまう可能性もあります。次に有効な対策は、エアコンの「内部クリーン運転」機能を利用することです。この機能は運転停止後にエアコン内部を乾燥させ、カビの発生を抑制します。内部クリーン機能がないエアコンの場合は、普段の冷房使用後に3〜4時間ほど「送風運転」を行うことで、エアコン内部を乾燥させることができます。送風運転であれば、電気代も1時間あたり約0.4円程度と非常に安価に行えるため、手軽なカビ予防策として推奨されます。
エアコンのカビは、不快なニオイだけでなく、健康への影響や電気代の増加にも繋がります。フィルターの定期的な掃除と、内部の湿度管理(内部クリーンや送風運転)を習慣づけることで、カビの発生を効果的に防ぎ、快適で経済的なエアコン利用を実現できます。これらの簡単な予防策を実践し、クリーンな空気で今年の夏を乗り切りましょう。