元参院議員の蓮舫氏が、最近政治活動を再開し、注目を集めている。2024年の東京都知事選で敗れた後、「今は国政選挙はもう考えていない」と述べていた同氏だが、今夏の参院選での国政復帰を目指す可能性が取り沙汰されている。精力的に東京都議選の応援演説に立つなど、その動向はメディアや有権者の間で関心が高まっている。
都知事選惨敗からの1年、活発化する政治活動
蓮舫氏は、2025年6月13日に告示された東京都議選において、古巣である立憲民主党の候補者の応援演説に駆けつけた。自身のX(旧Twitter)には同日、「久しぶりの街頭。楽しかったな」と投稿し、その後も連日のように都議選の応援で街頭演説に立った様子をSNSで発信し続けている。
こうした政治活動の活発化に伴い、今夏の参院選で国政復帰を目指して出馬する可能性が濃厚だとする見方が強まっている。まだ正式な発表はないものの、複数のメディアは早い段階から、立憲民主党が蓮舫氏を夏の参院選比例区に擁立する方向で調整に入ったと報じている。
しかし、もし国政復帰となれば、1年前の説明との整合性が問われることになる。
2024年の東京都知事選に出馬し、街頭で演説する蓮舫氏
都知事選後の「国政選挙は考えていない」発言との齟齬
蓮舫氏は2024年、参院議員を辞職し、東京都知事選に立候補。「小池都政をリセットする」と訴えたが、無党派層の支持を十分に取り込めず、最終的には石丸伸二氏にも得票で及ばず、3位という結果に終わった。この敗北は「惨敗」と評された。
落選直後、蓮舫氏は自身のインスタグラムのライブ配信で、今後の進路について言及。「今は国政選挙はもう考えていない」と明言した。さらに、「120万を超える人が『蓮舫』と書いてくれた。これで国政に戻ったら渡り鳥みたいだ」と語り、国政復帰の可能性を否定していた。
過去の言動と今回の動きへの波紋
落選直後の蓮舫氏の言動は、一部で物議を醸した。自身への批判的なコメントを書き込んだ新聞記者を名乗るXの個人アカウントに対して強く反論。記者が謝罪投稿をした後も「終わらせません」と追及を続け、記者が所属する新聞社への抗議を示唆したことで、「言論弾圧」「大暴走」といった冷めた反応も目立った。
民進党代表時代、約8年前の蓮舫氏の写真
民進党代表時代には、当時の安倍晋三首相に対し「息をするように嘘をつく」と強い言葉で追及するなど、鋭い舌鋒が知られていた蓮舫氏。都知事選の惨敗からわずか1年も経たずに、落選直後の「国政復帰は考えていない」という発言を撤回し、参院選出馬となれば、新たな波紋を呼ぶ可能性がある。既にXなどのSNS上では、「しゃあしゃあとまた参院選に出てくるのか」「渡り鳥に失礼すぎる」「あんなに都政に携わりたかったんだから、都議選に出ればいいのにね」「月日が経てば、言うことも変わったりするやろ」など、蓮舫氏の今後の動向を巡って様々な意見が飛び交っている状況だ。
メディア報道と蓮舫氏の反応
複数のメディアが蓮舫氏の参院選出馬の可能性を報じる中、本人は2025年6月20日、自身のXに意味深な投稿をした。「グラス片手に(中略)意気軒高」といった内容の記事があることに触れ、「いつ?? 」と問いかけた。
具体的にどの記事を指しているかは明らかにしていないが、デイリー新潮が6月20日付で「グラスを片手に『いま、私が国会にいなくちゃダメでしょ!』 蓮舫氏の参院選出馬ほぼ確定か」と題する記事を配信しており、この記事を示唆した可能性も考えられる。
東京都知事選での敗北を経て、再び国政への動きを見せている蓮舫氏。その一挙手一投足が注目されている。