梅雨前線接近で北海道など大雨警戒 関東甲信は記録的早さで梅雨明けか

梅雨前線が日本列島に近づいています。梅雨のない北海道では21日(土)夜から22日(日)明け方にかけて、そして週明けにかけては東北北部や北陸の日本海側でも大雨となる恐れがあり、警戒が必要です。一方、本州付近に停滞する見込みの梅雨前線ですが、週後半には南からの高気圧が張り出し、関東甲信では過去最も早い梅雨明けとなる可能性が出てきました。今後の梅雨前線の動きと大雨、そして各地の天気予報に十分ご注意ください。

22日午前0時における梅雨前線に伴う雨雲の予想図。特に北海道付近に活発な雨雲が見られます。22日午前0時における梅雨前線に伴う雨雲の予想図。特に北海道付近に活発な雨雲が見られます。

北海道の大雨ピークと注意点

しばらく梅雨の中休みだった地域もありますが、大陸方面から梅雨前線が接近。既に雨が降っている北海道では、今夜から明日明け方にかけて、日本海側を中心に1時間に30ミリ以上の激しい雨や雷雨が予想されています。発達した雨雲により警報級の大雨となる恐れもあり、特に暗い時間帯にピークを迎える見込みです。土砂災害や河川増水、低い土地の浸水に警戒し、安全な場所(例えば崖や山、川から離れた建物の2階以上)で就寝するなど、夜間の備えを徹底しましょう。

札幌の時系列天気予報と北海道に出されている大雨に関する早期注意情報。夜間にかけて雨が強まる様子を示しています。札幌の時系列天気予報と北海道に出されている大雨に関する早期注意情報。夜間にかけて雨が強まる様子を示しています。

週明けにかけて東北・北陸で大雨警戒

22日(日)には梅雨前線がいったん南下しますが、本州付近に近づき、日本海側で再び梅雨空が広がります。特に東北北部の日本海側では、22日(日)昼過ぎから週明け23日(月)にかけて100ミリ以上の雨が降り、大雨となる恐れがあります。土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水に十分な注意が必要です。さらに、23日(月)未明から朝にかけては北陸でも雨足が強まり、大雨となる可能性があります。落雷や突風にも注意してください。

22日午前9時の予想天気図と23日午後3時までの24時間予想降水量図。梅雨前線が南下し、東北や北陸で予想降水量が多くなっています。22日午前9時の予想天気図と23日午後3時までの24時間予想降水量図。梅雨前線が南下し、東北や北陸で予想降水量が多くなっています。

梅雨前線、来週後半も本州付近に停滞か

梅雨前線は24日(火)以降も27日(金)ごろにかけて、本州付近に停滞する見通しです。このため、九州から東北にかけての広い範囲で梅雨空が続き、局地的に雨雲が発達して雨足が強まる恐れがあります。最新の気象情報にご留意ください。

24日から26日にかけての雨雲予想。梅雨前線が本州付近に停滞し、広い範囲で雨が予想されています。24日から26日にかけての雨雲予想。梅雨前線が本州付近に停滞し、広い範囲で雨が予想されています。

関東甲信、統計開始以来最も早い梅雨明けの可能性

一方、28日(土)ごろからは南からの太平洋高気圧が日本付近に張り出してくる影響で、関東甲信では晴れる日が多くなり、猛烈な暑さとなる可能性があります。

30日の太平洋高気圧の予想配置と1ヶ月降水量予報図。太平洋高気圧の張り出しと、関東甲信などで降水量が少ない傾向が見られます。30日の太平洋高気圧の予想配置と1ヶ月降水量予報図。太平洋高気圧の張り出しと、関東甲信などで降水量が少ない傾向が見られます。

最新の1ヶ月予報によると、平年の梅雨明け時期にあたる7月中旬にかけて、関東甲信を含む九州から関東にかけての降水量は例年より少ない見込みです。このことから、今年は平年より早い梅雨明けとなる可能性が高まっています。関東甲信における過去最も早い梅雨明けは、統計開始以来唯一6月であった2018年の6月29日ごろです。今年の状況次第では、この記録を更新するような、過去最も早い梅雨明けの発表となるかもしれません。

過去の梅雨明け確定値・平年日データと今後の10日間予報。関東甲信の過去最も早い梅雨明け記録と比較されています。過去の梅雨明け確定値・平年日データと今後の10日間予報。関東甲信の過去最も早い梅雨明け記録と比較されています。

このように、梅雨前線の影響で大雨への警戒が必要な地域がある一方で、関東甲信などでは記録的な早さで梅雨明けを迎え、夏の暑さが到来する可能性があります。各地で気象状況が大きく異なるため、お住まいの地域の最新の気象情報や自治体からの発表をこまめに確認し、大雨災害や熱中症への対策をしっかりと行ってください。