インターネット上の不確かな情報に惑わされ、生後11カ月の赤ちゃんが指しゃぶりをしないよう親が指に包帯を巻いた結果、指が壊死寸前となる深刻な事態が発生しました。この事件は、誤った育児情報が子どもの健康に甚大な被害を及ぼす可能性を浮き彫りにし、保護者が専門家の正確なアドバイスを求めることの重要性を強く訴えかけています。
ネット情報に惑わされた両親の悲劇:指の壊死と緊急治療
この悲劇は今月14日、中国中部の湖南省にある児童病院で明るみに出ました。11カ月の娘を連れて訪れた若い両親は、娘の人差し指が腫れて紫色に変色していることに驚きを隠せませんでした。母親は医師に対し、娘が指を口に入れるのを防ぐため、指に包帯を巻いたと説明。両親は、指しゃぶりは不衛生であり、歯並びの悪化にもつながると懸念し、インターネットで読んだ「包帯が効果的」という情報に基づいて、娘の人差し指に緩めに包帯を巻いたのでした。
しかし、翌朝には娘の指はひどく腫れ上がっていました。児童病院の医師は、女児の人差し指の皮膚と一部組織が壊死していると診断し、「もう少し病院に来るのが遅れていたら、指を切断しなければならない事態になっていたかもしれない」と事態の深刻さを指摘しました。医療チームの迅速な対応により、壊死した組織は無事に除去され、指の組織が再生するまでに約2〜3週間を要する見込みです。
指しゃぶり中の赤ちゃんのクローズアップ。誤った育児情報による指の壊死の危険性を示す
専門家が解説する「指しゃぶり」の真実と正しい対処法
この事件を受け、医師は「1歳未満の赤ちゃんが指をしゃぶるのは正常な行動であり、赤ちゃんが世界を探検する方法の一つである」と強調しました。通常、この指しゃぶりの習慣は2~3歳になると自然に消滅するため、親はただ子どもの手を清潔に保つだけで十分であると説明しています。
また、もし子どもが不安や孤独から過度に爪を噛むような行動が見られる場合は、専門家から具体的なアドバイスを受けるべきだと付け加えました。病院の報告によると、最近では、親が子どもの指を輪ゴムで縛ったり、手袋を無理にはめたりするなど、今回と同様の誤った方法が複数報告されているとのことです。
保護者への警告:安易なネット情報に頼らず専門家の助けを
湖南省の児童病院のルオ医師は、保護者に向けて「子どもの行動に戸惑ったときは、インターネット上の不確かな情報を安易に信じるのではなく、必ず専門家の助けを求めるべきだ」と強く呼びかけました。
この事件に対し、現地のネットユーザーからは「親になるには適切な教育が必要」「無知な親は子どもにとって危険になり得る」といった声が多数上がり、育児における正しい知識と判断の重要性が改めて問われています。子どもの健やかな成長を守るためには、信頼できる専門機関や医療従事者からの情報が不可欠です。
参考文献
- 赤ちゃんの指に包帯を巻いたところ壊死寸前に…専門家「ネットの不確かな情報信じないで」
- South China Morning Post (SCMP)