鹿児島県トカラ列島付近で3日間で300回を超える群発地震が発生し、住民の間に不安が広がっています。この活動は、オンラインで拡散する2025年の大災害説と関連付けられ、注目を集めています。
地震活動の状況と現地の影響
日本気象庁は、6月22日から24日午後までにトカラ列島付近で合計309回の群発地震を観測したと発表しました。最大マグニチュード(M)5.2、震度4の揺れも含まれ、十島村役場関係者は「夜間も揺れ続き寝不足」「大きな地震への不安」の声を報告しています。幸い、現時点での人命・財産被害はなし。村は夜間非常勤務・悪石島コミュニティセンターを臨時避難所開設で対応中です。
トカラ列島付近で観測された地震活動を示す資料写真の波形グラフ
群発地震と「2025年7月大災害説」の関連性
今回の群発地震は、オンライン上で「2025年7月大災害説」を再燃させています。日本では、トカラ列島での群発地震が将来の大地震の前触れとする俗説があり、これが不安を助長。さらに、2021年に再出版された予言漫画『私が見た未来 完全版』に登場する「2025年7月5日大災難説」が、頻発する地震と結びつけられ、恐怖心を煽る要因となっています。
予言漫画の内容と作者によるコメント
この漫画は「2025年7月」に日本とフィリピンの中間あたりの海底噴火と巨大津波が発生することを予言。特に「2025年7月5日」という特定の日付が記されていることから大きな注目を集めました。過去に東日本大震災や新型コロナウイルスのパンデミックを「的中させた」との声もあったためです。しかし、不安の高まりを受け、作者のたつき諒氏は産経新聞への書面で、日付の特定は「急ピッチでの作業で慌てて書かれた」ものであり、編集過程で反映された可能性を示唆。「夢を見た日=何かが起きる日というわけではないのです」と訂正コメントを発表し、冷静な受け止めを求めています。
トカラ列島での群発地震は住民に不安を与えつつも、人命・財産被害は未報告です。一方、オンラインで広まる2025年大災害説について、漫画家自身が日付特定の経緯を説明し、正確な情報に基づく冷静な判断を促しています。正確な情報は公的機関や専門家から得ることが肝要です。
出典:日本気象庁、十島村役場、朝日新聞、産経新聞、たつき諒氏の書面など