鳥海彩氏、都議選落選受け「再生の道」からの離脱表明 石丸氏ファンからのバッシングなども理由に

東京都議会議員選挙の世田谷区選挙区から地域政党「再生の道」公認で出馬し、落選した鳥海彩氏(37)が6月24日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、今後の政治活動継続とともに「再生の道」から離脱する意向を表明した。鳥海氏は3児の母で、気象予報士の資格を持つ異色の経歴の持ち主。慶應義塾大、民間放送局、ケンブリッジ大学滞在、シンクタンク、IT企業勤務を経て、今回の都議選に挑戦した。世田谷選挙区で約1万1000票を獲得したが、18人中14位で当選には至らなかった。今回の発表は、選挙結果を受けての今後の活動方針を示すものとなる。

今後の政治活動と所属政党について

鳥海氏は、今後も政治家を志し、現在の楽天グループでの自治体との仕事を中心に、地域活動やSNS活動を継続していく考えを示した。その上で、特定の所属を持たない「フラットな立場」で、当選を目的とした「選挙戦略」をじっくりと練りたいとしている。

「再生の道」離脱の理由

「再生の道」からの離脱を決めた理由として、鳥海氏は主に二つを挙げている。

石丸伸二氏の一部のファンからのバッシング

一つ目の理由として、代表である石丸伸二氏の「一部の」熱狂的なファンからのバッシングが「精神衛生的にマイナス」であったことを指摘した。鳥海氏は「再生の道」の候補者として、党議拘束のない方針のもと、自立自走で選挙活動を必死に行ったとし、一定の成果に感慨深いものを感じていると述べている。

しかし、石丸氏の一部のファンや「再生の道」の一部の候補者・支持者からは、「候補者間で協調すべき」「石丸氏を立てるべき」「紫色を着るべき」「ポスターになぜ石丸氏の顔がないのか」「ウグイスのアナウンス手法が旧態依然で石丸氏の方針ではない、だからお前に入れない」といった、「協調や拘束」を求める声が寄せられ続けたという。これらの声は、SNS上だけでなく街頭でも聞かれ、鳥海氏や選挙陣営は「苦しめられ」、最後の最後まで「憔悴」したと明かしている。石丸代表や事務局から直接的な制限はなかったものの、このような状態は「異常だった」と感じている。

都議会議員選挙後、「再生の道」を離れることを発表した鳥海彩氏の写真都議会議員選挙後、「再生の道」を離れることを発表した鳥海彩氏の写真

次の選挙での当選を目指す意向

もう一つの理由は、「次の選挙こそは当選を目的としたい」という強い意向である。「再生の道」の目的は「政治参画」であったとし、鳥海氏はその目的は十二分に果たせたと党に感謝の意を示している。事務局長の西岡氏からは「鳥海さんは政治家に向いている、候補者力がある、頑張れ」と激励を受け、選挙最終日には西岡氏が応援に駆けつけてくれたことにも触れ、西岡氏が陣営にとって大切な羅針盤であったと述懐している。

しかし、今回の厳しい選挙戦を通じて、やはり当選を目的とした戦略がなければ勝利は難しいことを痛感したという。そのため、今後は「政治参画を目的とする」再生の道ではなく、フリーの立場で様々なチャンスを待ち、掴んで活動していきたいと考えている。「再生の道」には退団手続きのようなものはないと聞いているという。

鳥海氏の選挙を支えた後援会事務局長の野原氏やチーム鳥海のメンバーは、引き続き彼女を支える予定とのこと。鳥海氏は、仲間たちに報いるためにも、政治家になることを目指し、泥臭くその手段を探していくと決意を述べている。

今夏の参院選へのスタンス

今夏の参議院選挙における「再生の道」への応援については、もともと応援しないことを前提としていたため、自身も一切の応援を断り、「静観」の立場をとることを表明した。この点については、石丸代表も自由意思を認めてくれているため、応援しないことについて責めないでほしいと理解を求めている。同時に、「再生の道」の参院選での健闘を祈る言葉を添えた。

今回の都議選およびその後の政治活動について、多くの励ましのメッセージを受け取った鳥海氏は、地域活動やSNS活動を積極的に続けるとし、「とりうみあやが政治家になれるまで」温かく見守ってほしいと呼びかけた。今後は「とりさんぽ」や「対談企画」といったYouTube配信も順次再開する予定である。

参考資料