【サンパウロ共同】ペルー中部にある同国最高峰のワスカラン山(標高6768メートル)を登山中の日本人女性2人が遭難し、捜索を続けていた救助隊が25日、2人を発見した。このうち、医師で登山家の稲田千秋さん(40)=山梨県北杜市在住=は現場で死亡と判断された。稲田さんが所属する東京の団体が設置した遭難対策本部が明らかにした。
対策本部によると、もう1人は寺田紗規さん(35)。寺田さんは意識があり、歩行が可能な状態とみられ救助隊と下山中。2人は登山経験が豊富で、稲田さんは山岳医としても活動していた。ペルーメディアによると、ワスカラン山は南米で最も難しい山の一つとされ、2人は今回の登山に向けて入念に準備していたという。
2人は6月上旬にペルーに入国。ワスカラン山の山頂直下、標高6600メートル付近で稲田さんが低体温症によるとみられる体調不良で動けなくなり、24日に救助を求めた。
2人がいた場所は標高が高く、ヘリコプターが遭難地点まで飛べなかった。2人が見つかったのは、行動不能になってから37時間後だった。