アメリカのトランプ大統領は6月25日、イランの核施設への攻撃を、第二次世界大戦での広島と長崎への原爆投下になぞらえて正当化した。
トランプ氏は21日にイランの核施設3カ所を攻撃したと発表。「イランの主要な核濃縮施設は、完全かつ徹底的に壊滅された」と主張した。
しかしその後、攻撃ではイランの核開発計画の中核をなす部分は破壊されず、計画をわずか数カ月遅らせることになっただけだとする国家情報局の初期分析をCNNなどが報道した。
トランプ氏は25日、NATO首脳会議が行われているオランダ・ハーグでの記者会見でこの報道にいらだちを見せ、「今回の攻撃が戦争を終わらせたのだ」と主張した。
さらに、攻撃を日本への原爆投下になぞらえて「広島や長崎を例に出したくはない。しかし、基本的には同じようなものだ。あれが戦争を終わらせたのだ」と述べた。
トランプ氏は、国家情報局の分析について「まったく結論が出ていない」とも強調した。
「情報機関は『わからない。非常に深刻だった可能性もある』と言っている。そう言っているんだ。それは正しい。しかし私は『わからない』という部分は取り除いていいと思う。非常に深刻な被害を与えた。破壊的だったんだ」
広島と長崎への原爆投下は、1945年にハリー・トルーマン大統領(当時)の指示で実行された。これまで、戦争で核兵器が使用された唯一の例になっている。