先日、大阪府中央区で発生した乗用車同士の衝突事故において、一方の車両を運転していたベトナム国籍の男がひき逃げなどの疑いで逮捕されました。この事故をきっかけに、日本における外国運転免許証の切り替え(外免切替)制度に対する厳しい意見や議論が再び高まっています。一体、どのような事故で、なぜ外免切替が問題視されているのでしょうか。
事故の概要と逮捕の経緯
事故は6月21日午後10時半頃、大阪府中央区の交差点で発生しました。直進していた乗用車と右折しようとしていた乗用車が衝突したいわゆる「右直事故」です。直進車には3人が乗っており、横転。助手席の男性が左腕を骨折する重傷を負ったほか、2人が軽傷を負いました。事故後、右折車の運転手は車両を乗り捨てて現場から逃走しました。警察が目撃情報に基づいて捜査を進めた結果、現場から約50メートル離れた歩道上で運転手を発見。翌22日、この右折車を運転していたベトナム国籍の男を自動車運転処罰法違反(無免許過失運転致傷)と道路交通法違反(ひき逃げ)の疑いで逮捕しました。
交差点での自動車事故現場を示すイメージ画像
無免許運転とは?逮捕容疑について
逮捕された男は警察の調べに対し、「事故はしたが、逃げていない」「無免許とは思っていない」などと供述していると報じられています。道路交通法第64条では無免許運転が規定されており、運転免許がない状態で運転した場合や、有効期限の過ぎた免許で運転した場合などがこれに該当します。さらに、今回のケースのように、運転免許の停止処分を受けている期間中に運転した場合も無免許運転となります。逮捕された男は免許停止中であったとのことです。
浮上する「外免切替」への厳しい声
この事故の報道を受け、インターネット上では様々な意見が寄せられました。「免停中に運転するなど言語道断」「外国籍による凶悪犯罪や事故が続いているのに、政府の対応は甘すぎる」「国民の安全が軽視されている」といった厳しい声が多く見られました。特に、「また外国人による加害事故か。逮捕されたベトナム人は外免切替だったのか?」「運転免許の『外免切替』は早急に厳正化すべき。日本の運転免許と同レベルの知識技能のある人のみに限定すべきだ」など、「外免切替」に関する意見が多数を占めました。これは、外国人が比較的容易に日本の運転免許証を取得できてしまうのではないか、という社会的な懸念の表れと言えます。
外免切替の制度と問題点
外免切替とは、外国の運転免許証を日本の運転免許証に切り替えるための手続きです。この手続きを行うためには、「有効な外国免許証を所持していること」「外国免許証を取得後、その取得国に通算3か月以上滞在していること」「手続きを行う都道府県に住所地があること」といった条件を満たす必要があります。手続きは基本的に「書類審査」→「適性試験」→「知識確認」→「技能確認」の流れで行われます。日本の交通ルールに関する知識確認に合格すれば技能確認に進み、これに合格すれば日本の運転免許証が交付されます。しかし、知識確認は「○×方式」の10問のみで、7問正解すれば合格という非常に簡単な内容であること、さらに日本語以外の20数か国の言語で受験できることから、「日本語で受験しないと意味がない」「なぜ外国人に甘いのか」といった批判が多くあります。また、外国人が一時滞在先のホテルなどを住所地として免許を取得する事例も問題視されており、重大事故や交通違反発生時の捜査や反則金徴収に支障が出るのではないかと懸念の声が上がっていました。
警察庁の方針転換と今後の展望
このような状況を受け、警察庁長官は2025年5月に今後の方針を説明しました。住所確認書類については、申請者の国籍に関わらず住民票の写しを原則とし、観光目的で滞在する人の外免切替は認めないこととする方針が示されました。また、知識確認や技能確認の方法についても、より厳格化していく方向で検討が進められています。
5月に発生したペルー人による新名神高速道路での逆走事故や、中国人による埼玉県三郷市の小学生ひき逃げ事件など、過去にも外免切替によって日本の運転免許証を取得した運転手による重大事故が発生しています。日本の交通ルールを正確に理解し、十分な運転技能を持つ外国人だけが日本の公道を走れるよう、外免切替制度の一層の厳格化が強く求められています。
参考文献:
出典: Yahoo!ニュース オリジナル記事