トランプ大統領とゼレンスキー大統領、ハーグで会談:服装の違いと停戦議論の食い違い

2024年6月25日(現地時間)、オランダ・ハーグで米国とウクライナの両大統領による首脳会談が実施されました。ドナルド・トランプ米大統領とウォロディミル・ゼレンスキー大統領が顔を合わせましたが、この日のゼレンスキー大統領は戦闘服姿ではなく、格式のある黒のジャケットを着用していました。これは、彼が過去にホワイトハウスで会談した際の服装とは対照的であり、注目を集めました。今回の会談は、両国の関係やウクライナ情勢の行方に関心が寄せられる中で行われました。

2024年2月28日に米ホワイトハウスで行われた会談時、ゼレンスキー大統領はウクライナの象徴である三叉槍が描かれた黒の長袖シャツに、軍の作業服のようなカーゴパンツという服装でした。開戦初期からこのデザインの服装を貫いており、ロシアとの戦争を戦い抜く意志の表明として評価されていました。しかし、この服装は米国の一部で批判を受け、嘲弄の対象にすらなりました。公開会談の場で、保守系ケーブルチャンネルの記者がゼレンスキー大統領に「なぜスーツを着ないのか」と尋ね、「この国で最高級の事務室にいるのに、あなたはスーツを着ることを拒否した」「スーツはあるのか。多くの米国人はあなたがこの席の威厳を尊重していないと考える」と問い詰めました。これに対しゼレンスキー大統領は「当然(スーツは)ある。戦争が終わった後に着る」と答え、「おそらくあなたと似た服を着るだろう。もっと良い服を着るかもしれない」と切り返しました。当時、トランプ大統領の補佐陣がゼレンスキー大統領側に対し、ホワイトハウス訪問時は軍服のような服装を避けるよう助言していたという報道もありました。米現地メディアのアクシオスは、複数の消息筋を引用し「トランプ大統領をいら立たせた小さな要因の一つは、ゼレンスキー大統領がスーツを着なかったという事実だ」と伝えています。

オランダ・ハーグでの会談に臨んだゼレンスキー大統領は、前回のホワイトハウス訪問時とは異なり、黒のジャケットとシャツを着用していました。ネクタイは着用せず、足元は運動靴でしたが、ビジネスライクではないものの、以前よりは格式を意識した姿でした。会談後の記者会見で、トランプ大統領は会談結果に関する質問に「良い会談だった」「これ以上の会談はなかった」と述べました。また、ウクライナでの戦争について「とても『難しい』戦争」であるとし、ゼレンスキー大統領の戦いを「勇敢だ」と称賛しました。さらに、トランプ大統領は「今は戦争を終わらせる良い時期だ」との見解を示し、「ロシアのプーチン大統領と電話をし、終わらせることができるか見てみる」と発言しました。

2024年6月25日、オランダ・ハーグでのトランプ大統領とゼレンスキー大統領の首脳会談の様子2024年6月25日、オランダ・ハーグでのトランプ大統領とゼレンスキー大統領の首脳会談の様子

一方、ゼレンスキー大統領も会談について「長くて実質的な対話だった」と評価し、トランプ大統領と米国に感謝の意を表しました。また、「中東の作戦の成功を祝う」とも伝えました。しかし、会談内容に関する説明では、ゼレンスキー大統領が停戦を含む戦争に関するすべての議論を行ったと明らかにしたのに対し、トランプ大統領は停戦について議論しなかったと述べるなど、両者の間で発言の食い違いが見られました。

過去には、トランプ大統領の仲介によりトルコのイスタンブールでロシアとウクライナの直接交渉が2回開かれましたが、捕虜交換以外に目立った成果はなく終了しています。その後もロシアとウクライナの間では戦闘と空襲が続いており、情勢は依然として緊迫しています。今回のハーグでの会談は、両大統領の間の直接対話としては重要な機会となりましたが、戦争終結に向けた具体的な道筋については、両者の間で認識の差も示される結果となりました。

出典: Yahoo!ニュース (聯合ニュース)