米国のトランプ前大統領とウクライナのゼレンスキー大統領は18日、ワシントンで会談。ロシアによるウクライナ侵攻の終結を目指す協議で、トランプ氏がゼレンスキー氏に領土問題での譲歩を迫る可能性が注目される。
ワシントンでの米ウクライナ首脳会談に臨むトランプ前大統領(左)とゼレンスキー大統領(AP通信)
ホワイトハウスでの再会談:背景と目的
両首脳のホワイトハウスでの会談は、今年2月の記者団との口論に発展した会談以来となる。会談は日本時間19日未明に開始され、スターマー英首相やマクロン仏大統領ら欧州首脳を交えた多国間会談も予定されている。ゼレンスキー大統領は17日にワシントン入りした。
ウクライナ情勢の行方を左右する米ウクライナ首脳会談の様子
トランプ前大統領の和平に向けた見解
トランプ前大統領は17日、「ゼレンスキー氏が望めば、ほぼ即座に戦争を終わりにできるし、戦い続けることもできる」とSNS投稿。和平にはウクライナの領土割譲に応じることが必要と示唆した。また、ロシアが一方的に併合したクリミア半島の返還やウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟は「ない」と断言し、プーチン露大統領の要求に沿う見解を示した。
ゼレンスキー大統領の交渉姿勢と要求
一方、ゼレンスキー大統領は17日、ブリュッセルでの記者会見で「現在の前線から交渉を開始できる」と表明。ロシアが求めるウクライナ東部2州全域からの撤退には応じず、現在の前線での戦闘停止後、和平案を協議する考えを示した。また、ロシア軍の攻撃下での交渉は困難であるとし、「停戦し、最終的な合意に向けて取り組む必要がある」と主張した。
ウクライナと欧州の戦略:安全の保証を巡る動き
ウクライナと欧州は、停戦よりも和平合意を目指す姿勢のトランプ氏に結束して働きかけたい考え。ロシアの再侵攻を防ぐ「安全の保証」に対する米国の関与も主要議題だ。ルービオ米国務長官は17日、米国がウクライナに「安全の保証」を提供する可能性を示唆した。
今回の米ウクライナ首脳会談は、ウクライナ侵攻の行方を左右する重要な局面。トランプ氏の領土割譲示唆発言とゼレンスキー氏の交渉姿勢の隔たりは、和平への道のりが複雑であることを示唆する。「安全の保証」を巡る議論が、今後の紛争解決の鍵を握るだろう。
Source: https://news.yahoo.co.jp/articles/1ecbcac530b0fd2a82d8dd68d67096266209994f