明治天皇の玄孫(やしゃご)で作家の竹田恒泰氏(49)が29日放送の読売テレビ「そこまで言って委員会NP」(日曜午後1時30分)に出演し、巷で広まる「7月5日に大災害」とする予言について言及しました。「都市伝説・陰謀論 徹底解明SP」と題された番組内で、竹田氏は予言説を一刀両断する姿勢を示しました。
読売テレビ「そこまで言って委員会NP」で「7月5日大災害」予言について解説する竹田恒泰氏
予言の起源と詳細
この「7月5日大災害」予言の元になっているとされるのは、女性漫画家たつき諒氏の漫画「私が見た未来完全版」(飛鳥新社)です。たつき氏は過去に2011年3月の東日本大震災を予言したとして一部で注目を集めました。
同書の中で、たつき氏は自身の予知夢の内容として、以下のように具体的に記述しています。「その災難が起こるのは、2025年7月です」「突然、日本とフィリピンの中間あたりの海底がポコンと破裂(噴火)したのです」「太平洋周辺の国に大津波が押し寄せました。その津波の高さは、東日本大震災の3倍はあろうかというほどの巨大な波です」。さらに、あとがきでは「夢を見た日が現実化する日ならば、次にくる大災難の日は『2025年7月5日』ということになります」と日付を特定しています。
現実世界への影響と公式見解
たつき氏の著書は中国語版も発行され、香港では有名な風水師が日本での大地震を予言したことも相まって、交流サイト(SNS)などで急速に広まりました。その結果、香港からの訪日客が急減する事態が発生し、科学的根拠はないものの、香港と日本の地方空港を結ぶ空路が相次いで減便されるなど、現実世界に影響が出始めています。
この予言について、気象庁は科学的根拠のないデマであると正式に否定しています。
竹田氏の見解
竹田氏は番組内で、この「7月5日大災害」予言を「信じない」と明確に断言しました。さらに、予言を信じて訪日を取りやめる香港の人々に対し「香港の人もアホですよね。だってこれ、フィリピン沖でしょ。香港のほうが近いじゃん。日本に来たほうが安全ですからね」と語り、地理的な観点から予言の非合理性を指摘しました。竹田氏はスタジオで「地図を見なさい、地図を」と呼びかけ、冷静な判断を促しました。
結論
科学的根拠のない漫画発の予言が、SNSなどを通じて広まり、一部で現実的な社会現象(訪日客の減少、空路減便)を引き起こしている現状が浮き彫りになりました。竹田恒泰氏は、このような予言説に対し、地理的な事実に基づいて冷静かつ厳しい批判を展開し、惑わされないよう訴えました。気象庁もこれをデマであると否定しており、情報の真偽を冷静に見極めることの重要性が改めて示されました。
参照
- 読売テレビ「そこまで言って委員会NP」(2025年6月29日放送)
- たつき諒「私が見た未来完全版」(飛鳥新社)
- 気象庁による関連情報の否定発表