トヨタ カローラがベースだった? ダイハツ シャルマンの知られざる歴史

現在のダイハツのラインナップは軽自動車やコンパクトカーが中心ですが、かつては自社開発の小型セダンも手掛けていました。トヨタからのOEM供給であったアルティスやメビウス、あるいはシャレードソシアルやアプローズといったモデルが登場するさらに前の、ダイハツオリジナル小型セダンの源流とも言えるのが「シャルマン」です。トヨタ車をベースとしながらも独自の進化を遂げたシャルマンの歴史を振り返ります。

ダイハツ初の本格セダン、初代シャルマン登場

初代ダイハツ シャルマンは1974年11月に誕生した4ドアセダンです。それまでは2代目トヨタ パブリカのOEMモデルであるコンソルテなど、リッターカークラスが主体だったダイハツが、より上級移行を目指すユーザー向けに投入した本格的なモデルでした。搭載されたエンジンは1.2Lと1.4Lで、フロントマスクには当時このクラスとしては珍しいデュアルヘッドライトを採用。エントリーグレードである「スタンダード」を設定しないなど、随所に上級志向が見て取れました。

しかしこの初代シャルマン、見た目こそダイハツのオリジナルデザインとなっていましたが、その中身はトヨタのカローラ、しかも登場当時はすでに旧型となっていた2代目カローラがベースとなっていたのです。大ヒットとまではいかなかったものの、ダイハツ車ユーザーのステップアップの受け皿としては一定の評価を集め、1981年10月には2代目へとフルモデルチェンジを果たします。

トヨタ カローラがベースとなった小型セダン、ダイハツ シャルマンの外観トヨタ カローラがベースとなった小型セダン、ダイハツ シャルマンの外観

個性を強めた2代目シャルマンとFRレイアウトの維持

1981年に登場した2代目シャルマンも、引き続きトヨタ カローラがベースとなりました。ただし今回は旧型ではなく、当時現行型だった70系カローラがベースです。エクステリアデザインは先代以上にダイハツらしさを追求し、ベースのカローラとは明らかに異なる個性的な6ライトデザインを採用しました。インテリアも独自のものをまとっています。ベースとなったカローラは1983年5月に前輪駆動(FF)レイアウトの5代目へとモデルチェンジしますが、シャルマンは後輪駆動(FR)レイアウトのまま2代目を継続販売しました。しかし、同じシャシーを使用して継続生産されていた70系カローラバン/ワゴンが1987年夏に生産を終了したことで、シャルマンもその歴史に幕を閉じることになったのです。

こうしてダイハツのオリジナル小型セダンとしての歴史に終止符を打ったシャルマン。トヨタ カローラという確固たる存在をベースとしながらも、ダイハツとして独自の個性や上級志向を模索した一台と言えるでしょう。

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