ノルウェー皇太子妃メッテ・マリット氏の長男、マリウス・ボルグ・ホイビー氏(28)が、性的暴行を含む多数の犯罪容疑で起訴される瀬戸際に立たされています。ドイツのDPA通信などによると、ノルウェーのオスロ警察は10ヶ月にわたる捜査の結果、合計23件の犯罪容疑を確認し、検察が最終的な判断を下すことになります。ホイビー氏はノルウェー王室の公式な構成員ではなく、王位継承権もありませんが、母であるメッテ・マリット皇太子妃はノルウェーのホーコン皇太子と結婚しています。
性的暴行など23件の容疑で捜査中のマリウス・ボルグ・ホイビー氏と母メッテ・マリット皇太子妃
捜査で明らかになった23件の容疑内容
警察が確認した23件の犯罪容疑には、性的暴行3件、性的侮辱4件、傷害2件、虐待・器物損壊・脅迫それぞれ1件が含まれます。さらに、接近禁止命令違反5件、警察官侮辱1件、交通法規違反5件も挙げられています。警察関係者は、被害者の数が二桁に上ることを明らかにしましたが、それ以上の具体的な内容については言及を避けています。
王室での立ち位置と過去の経緯
マリウス・ボルグ・ホイビー氏は、メッテ・マリット皇太子妃が1997年に元恋人との間にもうけた息子です。2001年に母がホーコン皇太子と結婚した後、彼は王室の一員となりましたが、王位継承者である異父妹のイングリッド・アレクサンドラ王女や、異父弟のスヴェレ・マグヌス王子とは異なり、王位継承権はなく、公式な肩書きもありません。今回の事件は、昨年8月に傷害など多数の犯罪疑惑が浮上したことから始まりました。ホイビー氏はこれまでに14回にわたる警察調査を受け、一週間拘置所に拘禁されたこともあります。
マリウス氏本人および弁護側の見解
捜査に対し、ホイビー氏はお酒とコカインに酔った状態で恋人に暴行を加え、自宅の器物を壊したことについては認めています。しかし、性犯罪の容疑については全面的に否認しています。ホイビー氏の弁護人は、「疑惑を非常に深刻に受け止めている」としながらも、「ほとんどの事件、特に性犯罪に関連した事件については、いかなる誤りも認めていない」と強く主張しています。
今後の行方
オスロ警察は、ホイビー氏に対する捜査を完了し、犯罪容疑に関する書類を検察に送致しました。今後、検察がこれらの容疑に基づき、ホイビー氏を正式に起訴するかどうかの最終的な判断を下すことになります。
出典: 聯合ニュース via DPA