世界中で今なお愛され続けるダイアナ妃。彼女が披露してきた数々のアイコニックなファッションは、単なる装いではなく、メッセージを伝えるための手段でもありました。最近、ダイアナ妃のためにドレスをデザインしてきたファッションデザイナーのジャック・アザグリー氏が、彼女のスタイルがどのように変化し、その背後にあった意図について語りました。
ダイアナ妃:不朽のファッションアイコン、スタイルを通じてメッセージを発信
アザグリー氏がダイアナ妃と出会ったのは1985年。ロンドンでのコレクション発表会で、当時のイギリス版『VOGUE』副編集長だったアンナ・ハーヴィー氏の紹介でした。「彼女はすぐに私を安心させてくれましたし、驚くほどの速さで人をリラックスさせる素晴らしい力を持っていました」とアザグリー氏は振り返ります。
それ以来、アザグリー氏はダイアナ妃がファッションで「殻を破る」手助けをすることになります。彼は当初、「ダイアナ妃が最初の頃に着ていたフリルだらけで、やや野暮ったいスカートから解放すること」を目指していたと述べています。
1983年のダイアナ妃:デザイナーが変化を目指した初期スタイル
「彼女の人生が進むにつれて、ダイアナ妃は国際的な舞台に立つ機会が増えました。私の仕事は、彼女がその舞台にふさわしく見えるようサポートすることでした。私は徐々に彼女の装いをシンプルにしていき、最終的にはドレスそのものがほとんど目立たないくらいになりました。もはや主役はドレスではなく、ダイアナ妃本人、そしてドレスが彼女にどれだけフィットしているかだったのです」とアザグリー氏は語ります。このスタイルの変化は、ダイアナ妃の自信と役割の変化を反映していました。
イギリス王室の一員として、特に将来の国王の妻としては、厳しいファッションルールに従うことが求められていました。しかし、夫であったチャールズ国王との結婚生活が公然と破綻していく中で、ダイアナ妃は自身のスタイルを通じて新たなメッセージを発信する準備を進めていたのです。それは、より強く、独立した自己の表現でした。
このように、ダイアナ妃のファッションは、単なる流行を追うものではなく、彼女自身の人生、感情、そして成長を映し出す鏡でした。ジャック・アザグリー氏との協力を通じて、彼女は公のイメージを巧みに操り、世界に向けて自身の声なきメッセージを届けたのです。そのスタイルは、ダイアナ妃が今なおファッションアイコンとして記憶される理由の一つです。
Source: Fox News Digitalの取材、及び関連報道より