梅村みずほ前維新議員が参政党へ入党 政党要件満たし党首討論参加へ

参政党の神谷宗幣代表(47)は29日、大阪府吹田(すいた)市での街頭演説で、元日本維新の会の梅村みずほ参院議員(46)が同党に入党したことを明らかにした。梅村氏は今後の参院選で全国比例区から出馬する方針で、この入党により参政党は国会議員5人以上という政党要件の一つを満たし、主要な討論会への参加が可能となるなど、党勢拡大に向けた大きな一歩となる。

梅村氏の入党発表と参院選での擁立方針

神谷代表は吹田市での演説で「元維新の梅村みずほさんが参政党に入党いただきました」と発表した。参政党は梅村氏を7月3日公示、20日投開票の参院選で全国比例区から擁立する方針を固めており、30日に国会内で正式発表する予定だ。参院選大阪選挙区(定数4)からは宮出千慧(ちさと)氏(40)が出馬する。神谷代表は、地盤のある大阪で梅村氏が重点的に活動することを示唆し、「大阪は重点区」「今年の夏は宮出&梅村コンビの演説がたくさん聴けると思います」「梅村さん全国比例で全部回っていただくんですけど、主に大阪でっていうことで、大阪の皆さんに訴えていただきたい」と期待を寄せた。梅村氏の実績と宮出氏の新たな力で、大阪での支持拡大を目指す構えだ。

参政党の神谷宗幣代表が大阪府吹田市で行った街頭演説。梅村みずほ氏の入党を発表。参政党の神谷宗幣代表が大阪府吹田市で行った街頭演説。梅村みずほ氏の入党を発表。

梅村氏の経歴と日本維新の会からの離党経緯

梅村氏は2019年の参院選大阪選挙区で、日本維新の会から出馬し初当選を果たした。しかし、今回の参院選における維新の公認候補者を決める党内予備選(男女1人ずつ)では敗退した。その後、「党のガバナンス不全」などを理由に日本維新の会に離党届を提出し、受理されていた。参政党への入党は、今後の政治活動の新たな舞台となる。

参政党の政党要件達成とその影響

梅村氏の入党により、参政党の所属国会議員は衆議院議員3人、参議院議員2人の合計5人となった。これにより、参政党は「所属国会議員5人以上」という政党要件の一つを満たすことになった。政党要件を満たすためには、「直近の衆院選、参院選の得票率が2%以上」というもう一つの条件も必要だが、参政党は既にこの条件もクリアしているとみられることから、正式に政党としての要件を満たしたこととなる。政党要件の達成は、テレビや新聞など主要メディアでの露出機会の増加や、政党交付金の対象となるなど、党の活動資金や認知度向上に大きく寄与する。

日本記者クラブ主催の党首討論会への参加経緯

政党要件を満たしたことの具体的な影響の一つとして、神谷代表は集まった聴衆に対し、日本記者クラブ主催の党首討論会に呼ばれることになったと報告した。当初、参政党は「(所属国会議員が)5人以上じゃないと出しません」という理由で討論会への参加を拒否されていたが、梅村氏の入党で5人以上となったため、「5人になったんで出してくれますか」と問い合わせたところ、「わかりました」となり、参加が認められたという経緯を説明した。この党首討論会は7月2日に都内で行われる予定で、来る参院選を前に有権者へのアピール機会となる。

梅村みずほ前参院議員の参政党への入党は、党の勢力拡大と政治的なプレゼンス向上に直結する重要な動きである。これにより参政党は政党要件を満たし、主要メディアへの露出や党首討論会への参加が可能となった。来る参院選に向けて、梅村氏の全国比例区での活動と、大阪選挙区の宮出氏との連携が、参政党の獲得議席数にどのような影響を与えるか注目される。

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