国民民主党・玉木代表「女性に理解難しい」発言が物議 – 外国特派員協会で何が?

国民民主党の玉木雄一郎代表が日本外国特派員協会(FCCJ)で行った記者会見での一言が、ネット上で大きな波紋を広げています。党の支持層における女性の割合が少ない現状について問われた際の英語での回答が、批判の対象となりました。

国民民主党の現状:都議選躍進の裏にある女性支持の課題

国民民主党は、6月22日に投開票された東京都議会議員選挙で9議席を獲得し、議席ゼロから躍進を遂げました。選挙前の混乱で一時的に支持率を落としたものの、今回の成果は党にとって大きな弾みとなります。この結果を受け、玉木代表は日本外国特派員協会で会見を開きました。

国民民主党の支持層に男性が多い傾向は、以前から指摘されてきました。例えば、今年4月時点のNHK世論調査によると、国民民主党の支持率は男性11.6%に対し、女性は2.8%でした。これは、次に差が大きいれいわ新撰組(男性3.8%、女性0.9%)と比較しても顕著な隔たりです。この傾向は昨年11月の玉木代表に関する報道以前から見られており、特定の出来事だけが女性支持率の低さの原因とは考えにくい状況です。

このような背景から、「なぜ女性からの支持を得られないのか」という質問は、会見で想定されるものの一つでした。

外国特派員協会での問題発言とその解釈

質問に対し、玉木代表は少し笑顔を見せながら、英語で以下のように答えました。この回答が、後にインターネット上で強い批判を浴びることになります。

「So I think our policy is good not only for men but also women but I think it’s very difficult to understand for them」

これを直訳すると、「私たちの政策は男性だけでなく女性にとっても良いものです。しかしそれは、彼らにとって理解するのがとても難しいのだと思います」となります。「them」が文脈上、女性を指していると解釈するのが自然です。会見直後の報道ではこの発言に触れる記事は少なかったものの、6月25日朝頃からネット上で指摘が始まり、複数のメディアが「炎上」として伝える事態となりました。

外国特派員協会にて、党の女性支持について問われ会見する国民民主党・玉木雄一郎代表外国特派員協会にて、党の女性支持について問われ会見する国民民主党・玉木雄一郎代表

玉木代表による釈明と続く批判

批判を受け、玉木代表は自身のX(旧Twitter)で釈明を行いました。彼は「私がお伝えしたかったのは『国民民主党の政策は女性にとっても良い政策だと考えていますが、実際には女性に届いていない実状があり、それについて難しさを感じています』でした」と説明。自身の英語が拙かったことを認め、「it’s very difficult to deliver to them.(彼らに届けることがとても難しい)」と表現すべきだったと綴りました。

この釈明に対し、「単なる英語の言い間違いではないか」という擁護意見もあった一方、批判は収まりませんでした。SNS上での批判的な視点は多岐にわたります。

  • 外国人特派員協会という場での発言: 海外メディアの記者もいる外国人記者クラブでの会見という場で、この発言をしたことへの指摘です。海外からは日本がジェンダーギャップ指数が低い国として見られている中で、「うっかり」このような発言をすることは、党首として不用意ではないかという声がありました。
  • 英語の拙さについて: 曖昧な英語で説明しようとして「誤解」を生むのであれば、日本語で丁寧に説明した方が良かったのではないかという意見です。玉木代表はハーバード大学の修士課程を修了しているため、「ハーバードを出ているのに英語が拙いのか」という皮肉や、拙い英語だからこそ本音が出たのではないかという勘繰るような見方もありました。

まとめ

今回の玉木代表の外国特派員協会での発言と、それに続くオンラインでの炎上、そして自身の釈明は、国民民主党が抱える女性支持率の低さという課題と、政治家の国際的な場でのコミュニケーションの難しさを浮き彫りにしました。発言の真意や英語の表現の適切さについて様々な議論が巻き起こり、党の今後の女性層へのアプローチや、代表自身の発信に対する注目が集まっています。

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