イオン無料貸出車椅子で迷惑行為、TikTok動画に批判殺到

イオンの無料貸し出し車椅子を使った迷惑行為を捉えた動画が短尺動画プラットフォーム『TikTok』に投稿され、インターネット上で大きな批判を呼んでいます。この動画は、買い物の際に身体が不自由な方が利用するためのサービスである車椅子を、若者たちが不適切に使用している様子を映し出しています。

動画の内容と問題点

動画はイオン店舗内のイートインコーナーで撮影されたと見られ、貸し出し用の「AEON」ロゴ入り車椅子が使われていました。車椅子に乗った若者が前輪を浮かせ、後輪でバランスを取りながら回転するなどして遊んでおり、撮影者はその様子を笑いながら撮影しています。さらに別の若者がイートインのテーブルの上に座り、大笑いしている場面も映っています。この車椅子貸し出しサービスは、本来は必要とするお客様のためのものです。このような遊び目的での利用は、サービスの趣旨を大きく逸脱した迷惑行為に他なりません。

イオンの無料貸出車椅子で遊ぶ若者と、イートインの机に座る別の若者イオンの無料貸出車椅子で遊ぶ若者と、イートインの机に座る別の若者

インターネット上の反響

動画のアカウントには「スケーターの裏側」と書かれていたため、インターネット上では動画を見たユーザーから厳しい批判が殺到しました。「公道で(スケートボード)走るバカ多いし、スケーターなんて評判低くてもしょうがない」「スケーターは元からこんなもん、まともなのが一握りよ」といったコメントが見られ、「スケーター」という括りでの評判低下を懸念する声も上がっています。

イオン株式会社の対応

この動画について、イオン株式会社に問い合わせたところ、担当者は動画を確認したことを認めました。「車いすに『AEON』のロゴがありましたので、弊社の店舗で撮影されたものかと思います。しかしながら、店舗の特定まではできておりません」と述べました。店舗の警備については、警備会社に委託しており、巡回中にこのような事案を見かけた場合には注意を行うことになっているとのことです。また、従業員が見かけた場合も同様に注意指導を行っていると回答しました。

車椅子貸し出しのルールと課題

車椅子の管理は店舗ごとにルールが決められており、多くの場合、サービスカウンターなどの有人コーナーで申し出てから貸し出しが行われています。返却場所については、車近くのカート置き場でも可能な店舗が多いとのことです。担当者は、「サービスカウンターへ回収前に、このような形で使用されてしまうケースが考えられます。当然、見かけた場合には注意し、回収しております」と説明しました。正規の回収プロセスに戻される前に、一時的に置かれた場所などで不正に使用される可能性があるということです。

今後の対策と協力のお願い

今後の対策として、イオンは「車椅子を必要とする方が、探すことなくすぐに使用いただけるよう、お客さまにご協力いただき、管理をしております」と述べました。警備員や従業員による対応だけでなく、利用客に対し、もしこのような迷惑行為を見かけた場合には店舗に知らせてほしいと協力を呼びかけています。後を絶たない迷惑動画投稿に対し、企業側も対応に追われる現状が浮き彫りとなっています。

結論

今回のイオンでの車椅子迷惑動画は、公共のサービスや設備を私物化し、他人に迷惑をかける行為がいかに簡単に動画化され、拡散されてしまうかを示す一例です。本来助けを必要とする人々のために用意されたものを悪用する倫理観の欠如に対し、企業側の管理強化に加え、利用者一人ひとりのモラル向上と、周囲の人間が不正行為を見過ごさない姿勢が求められています。

出典: Yahoo!ニュース / 週刊女性PRIME