俳優・北村有起哉は、影やひとクセある役から愛らしい役まで幅広く演じる魅力的な存在だ。近年、内田英治監督と立て続けにタッグを組み、最新作のサスペンス映画『逆火』では、映画監督を目指す助監督・野島役で主演を務める。
映画『逆火』での主演俳優・北村有起哉のインタビュー中の様子
映画『逆火』、仕事に夢中で家族が見えない男を演じる
映画『逆火』は女性の疑惑を追う一方、主演の北村有起哉さんが演じる助監督・野島の家族の物語という側面も持つ。仕事に没頭し家族への配慮を欠く野島について、北村さんは「簡単に言うと“へたくそ”ですよね。ちょっと家族をほったらかし過ぎた」と評する。
妻がビールを持ってきた場面でも「『ありがとう』でしょう! そんな当たり前のことも言えないんだ」と感じたという。家族と溝が生まれたのは、気づかぬうちに時間をかけて距離が離れた結果だろうと分析。「仕事第一主義で家族をないがしろに。僕も役者バカでしたが、独身とは意識が違います」と、役と自身を対比させた。
共演者・向井理が語る、北村有起哉の家族への思い
北村さんの家族への思いは、共演者からも評価されている。ドラマ『先生のおとりよせ』で共演した向井理さんは、過去の取材で「北村さんはご家族をすごく大切にされている。だから信頼できる」と語り、これを聞いた北村さんは大変喜んでいたという。
また、同ドラマ撮影期間中には、毎日帰宅後、現場であったことを家族に報告。「“今日の理ちゃん報告”ね(笑)。していましたね」と振り返る習慣は、仕事と家族を自然に繋げる彼の姿勢を示す。
俳優・北村有起哉が語る、新作映画『逆火』と自身の家族観
北村有起哉さんは、新作映画『逆火』で、仕事に没頭し家族との間に溝を作る「不器用な男」を見事に演じている。しかし、彼自身の素顔は、共演者からも信頼されるほど家族を大切にする温かい人物像が浮かび上がる。役柄とのギャップを通じて、仕事と家庭のバランス、そして家族への思いについて改めて考えさせられる。