神奈川県の中学受験国語塾「中学受験PREX」代表の渋田隆之塾長と、近年、進学実績を伸ばしつつもユニークな教育で注目される洗足学園中学高等学校の玉木大輔先生(校務主任・国語科)が対談した。洗足学園が発表した2026年度入試の日程変更を中心に、その背景にある学校の理念や今後の受験動向について両氏が語った内容をまとめる。
洗足学園はこれまで中学入試を3日間実施していたが、2026年度からはこれを2日間に変更すると発表した。玉木先生によると、この変更の最大の理由は「第一志望で洗足に入りたい」という受験生のための枠を広げたかったことにあるという。2025年2月に行われた第1回入試の入学手続き率が9割を超え、驚異的な数字を記録したことが背景にある。学校としては第1回入試の合格枠を増やしたいと考えていたものの、第2回入試の手続き率も上昇傾向にあるため、第1回に定員を寄せることは困難だと判断した。
一方で、第3回入試は手続き率が安定せず、受験者数自体が減少傾向にあった。渋田塾長は、第3回入試が中学入試の終盤にあたり、受験生にとって肉体的な負担が大きいことや、不合格が続いた中での受験になりがちな精神的な負担を指摘する。玉木先生もこれに同意し、受験生への配慮から、第1回入試の定員を40名増やして120名とし、その代わりに第3回入試を廃止するという決断に至ったと説明した。
洗足学園 2026年度入試変更について対談する渋田隆之塾長(右)と玉木大輔先生(左)
この変更にあたり、2026年2月1日が日曜日にあたる「サンデーショック」の影響を意識したかという渋田塾長の問いに対し、玉木先生は「それは全く意識していない」と回答。サンデーショックとたまたま重なったことで、例年以上に受験動向が読みづらくなる可能性は認めた。
今後の2026年受験傾向について、玉木先生はここ数年の「安定志向」がさらに色濃く出ると予測。サンデーショックという要素がそれに重なることで、安定志向の影響が通常の1.2倍、1.3倍という形で増幅する可能性があるとの見方を示した。
この対談からは、洗足学園が単に進学実績だけでなく、受験生の負担軽減や、学校を第一志望とする生徒を大切にするという教育理念に基づき、入試制度の変更を行ったことがうかがえる。今後の受験生や保護者にとって、今回の変更は志望校選択において重要な判断材料となるだろう。
神奈川県 洗足学園中学高等学校の校舎風景
【参考資料】
[Original article source link] (https://news.yahoo.co.jp/articles/6a5e9e9ae1a23bea290fdf07951f33d06dbe2d9a)