韓国国会、黄海への中国構造物設置非難を決議

韓国国会本会議で3日、中国による黄海(西海)への無断構造物設置を糾弾する決議案が可決されました。与党・国民の力の議員が提出したにもかかわらず、出席議員259人のうち252人が賛成するなど、この問題の深刻さが与野党間で広く共有された形です。しかし、共に民主党から3人、祖国革新党から1人、進歩党から3人の計7人の議員が棄権票を投じました。彼らは採決時に特別な質疑を行わず、棄権の理由も説明していません。

韓国 国会本会議で黄海における中国の違法構造物設置に関する決議案が可決される様子韓国 国会本会議で黄海における中国の違法構造物設置に関する決議案が可決される様子

中国による黄海構造物の違法設置

中国は2018年から最近まで黄海韓中暫定措置水域(PMZ)に「養殖施設」と称し大型鉄製構造物を設置。両国の漁業協定で、この海域での操業以外の資源開発や関連施設の設置は禁じられており、これは協定違反です。設置された構造物のうち2基は海上に浮かぶ浮遊式、1基はボーリング船を改造した固定構造物です。韓国の海洋調査船がこれらの構造物に接近しようとすると、中国は艦艇などを用いて調査を妨害しました。米シンクタンクは最近の報告書で、これらの施設がすでに海底での航行や探知に関する情報収集能力を備えている可能性を指摘しており、潜水艦探知用であるとの見方も示されています。

領土主権と航行の自由への脅威

構造物設置に加え、中国は5月にはこの海域の一部を航行禁止区域に設定し、新型空母を含む海上機動訓練を実施しました。これは黄海を自国の内海とし、韓米連合戦力に対抗する意図を露骨に示しています。このような行動を放置すれば、韓国の漁業権だけでなく、航行の自由や領土主権までもが侵害される恐れのある重大な事案です。

国会決議案の内容と棄権議員への批判

国会で可決された決議案は、暫定措置水域における構造物設置の違法性を指摘し、韓国政府に対し海洋調査の強化や「同一比例原則」に基づく対応など複数の対策を求めるとともに、国会としても立法面での支援を行うことを盛り込んでいます。これは政治的利害が対立する事案ではなく、国の領土主権に関わる決議案です。このような決議案に対し、国民から選ばれた代表である国会議員が棄権票を投じたのであれば、当然、誰しもが納得できる説明が必要です。棄権票を投じた議員のうち、共に民主党と祖国革新党の所属議員は棄権理由を説明していません。進歩党は「外交的に解決すべきであり、摩擦を強めるやり方はだめだ」と主張しましたが、決議案に紛争を引き起こすような内容は含まれておらず、そもそも問題を起こしているのは中国側です。中国は自らの挑発に対し7人の韓国国会議員が棄権票を投じたことを認識し、今後の計画をより大胆に進めてくる可能性が高いでしょう。

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