ガザ衝突死者6万人超、深刻化する人道危機と支援の課題

パレスチナ自治区ガザ地区で続くイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘において、ガザ保健当局は29日、2023年10月の戦闘開始以降のガザ側の死者数が6万人を超えたと発表しました。飢餓などで命を落とす子どもが相次ぐなど、ガザ地区の人道危機は一層深刻化しています。

最新の死傷者統計と広がる避難区域

ガザ保健当局の発表によると、29日時点での死者は6万34人、負傷者は14万5870人に上っています。国連人道問題調整事務所(OCHA)は、ガザ全域の約88%が立ち入り禁止区域または避難勧告区域に指定されていると報告しており、住民の生活空間は極めて限定されています。

飢餓に苦しむ子どもたちと支援物資の現状

戦闘が長期化する中で、食料不足による飢餓で亡くなる子どもたちが後を絶ちません。イスラエルは、米国などが主導する「ガザ人道財団(GHF)」を通じて支援物資を配給していると主張していますが、そのGHFの配布拠点付近ではイスラエル軍による発砲が頻発し、多くの死傷者が出ているのが現状です。これは、必要とする人々への支援物資が届かない大きな要因となっています。

パレスチナ自治区ガザ地区ヌセイラットで、イスラエル軍空爆の犠牲者を悼む葬儀で悲しみに暮れる人々パレスチナ自治区ガザ地区ヌセイラットで、イスラエル軍空爆の犠牲者を悼む葬儀で悲しみに暮れる人々

継続する攻撃と支援活動への影響

イスラエル軍は29日もガザ地区への攻撃を継続しました。中東の衛星テレビ局「アルジャジーラ」の報道によれば、ガザを南北に隔てる「ネツァリム回廊」付近で支援物資を受け取りに来た住民のうち9人が死亡しました。このような状況は、ガザ地区における人道支援活動の困難さを浮き彫りにしています。

まとめ

ガザ地区の死者数が6万人を超える中、人道状況は壊滅的なレベルに達しています。飢餓に苦しむ子どもたち、そして支援物資を受け取ろうとする人々が攻撃の犠牲となる現状は、国際社会による緊急かつ効果的な介入が不可欠であることを示唆しています。

参照元