【ワシントン=塩原永久】米実業家イーロン・マスク氏は5日、X(旧ツイッター)に「今日、あなた方が自由を取り戻すため『アメリカ党』を設立した」と投稿した。マスク氏は、トランプ大統領が4日に署名、成立させた大型減税・歳出法が財政赤字を悪化させると批判し、新党を作って対抗する姿勢を示した。
米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、マスク氏は新党設立の書類手続きを5日時点で終えていない。別の投稿では来年から活動すると言及した。来年11月の中間選挙を視野に活動を展開する可能性がある。
トランプ氏の強い影響力のもとで、共和党が巨額赤字を積み増す内容の減税・歳出法案を賛成多数で可決した。マスク氏は、同法が「無駄や汚職で国を破綻させる」として、「われわれは民主主義ではなく、一党体制のもとで暮らしている」と批判した。
マスク氏は側近としてトランプ氏を支えたが、5月に政権を離脱した。トランプ氏肝いりの減税・歳出法案を問題視して同氏と決裂。いったん和解したが、再び批判を強めている。