参院選の公示後、最初の週末を迎えた5日、改選数3の千葉選挙区では、過去最多の16人が出馬し、激しい選挙戦を展開しています。かつて自民党が2議席、立憲民主党が1議席を占める「指定席」と見られていましたが、国民民主党が新人を擁立したことで情勢は一変、「激戦区」となりました。非自民勢力は、保守地盤の切り崩しを図り、2議席獲得を目指しています。
立憲民主党、野田代表が危機感訴え長浜候補を激励
立憲民主党の野田佳彦代表は5日、公認候補である現職の長浜博行氏(4選を目指す)の応援のため、千葉県松戸市のJR松戸駅前に駆けつけ、支持拡大を呼びかけました。野田氏はマイクを握り、「心配で心配で仕方ない千葉に応援に入ることにした。なぜならば今回は(候補者が)16人もいる。何が起こるか分からない。緊張感を欠いたら負ける」と述べ、選挙戦の厳しさに対する危機感をあらわにしました。野田氏と長浜氏は、ともに松下政経塾出身で、平成5年の衆院選で日本新党から初当選した同期です。野田氏は長浜氏を「同志中の同志だ」と表現し、長年の盟友関係を強調しました。
参院選千葉選挙区で長浜候補を応援演説する立憲民主党の野田代表
国民民主党、玉木代表が新人小林候補への支持呼びかけ
一方、国民民主党は、自民党の現職2議席を切り崩すべく、元NHK記者の新人、小林さやか氏を擁立しました。玉木雄一郎代表は5日、公示後初めて千葉県入りし、小林氏の地元である千葉県市川市のJR市川駅前で支持を訴えました。玉木氏は声を枯らしながら、「地元の市川の皆さんには、厳しい選挙戦を戦い抜く力を与えてほしい。気を抜かないで最後まで走り抜ければ必ず勝てる。何よりも頑張る皆さんの手取りを増やす夏にしたい」と熱弁をふるいました。国民民主党は、この新人を当選させ、非自民で2議席獲得という目標に弾みをつけたい考えです。
国民民主党の玉木代表が参院選千葉選挙区で新人・小林候補への支持を訴え
自民党、現職が連携強化 図るも党幹部がてこ入れ
迎え撃つ自民党の現職、石井準一氏と豊田俊郎氏は、推薦を受ける公明党と連携しながら県内各地を遊説しています。公示日の3日には、党の森山裕幹事長が県内入りしました。各種報道機関の序盤情勢調査では、自民党が苦戦しているとの見方が伝えられていますが、今後も党幹部らが続々と千葉入りし、組織的なてこ入れを図る方針です。
参院選千葉選挙区を戦う自民党の石井候補と豊田候補
千葉選挙区のその他の候補者
このほか、千葉選挙区には届け出順に、れいわ新選組新人の山本なつみ氏、参政党新人の中谷めぐ氏、諸派新人の小林修平氏、無所属新人の大薄裕也氏、諸派新人の中野智彰氏、共産党新人の白石ちよ氏、日本維新の会新人の石塚貞通氏、諸派新人の小笠原裕氏、諸派新人の玉元弘次氏、諸派新人の橋本直久氏、諸派新人の江田良将氏、無所属新人の大塚京子氏が出馬しています。
激戦模様の千葉選挙区、今後の行方は
改選数3を巡り、16人の候補者が争う千葉選挙区は、公示後初の週末から主要政党の幹部が相次いで応援に入るなど、全国有数の激戦区となっています。特に非自民勢力は、これまでの自民2・立憲1という構図を崩し、2議席の獲得を目指しており、その動向が注目されます。自民党が組織力を発揮して議席を守るのか、それとも非自民勢力が勢いを増して牙城を崩すのか、今後の選挙戦の展開が待たれます。